今日、口座が消滅しました~私と、りそな銀行の数奇な思い出たち~
みなさんは、銀行口座が勝手に消滅したことはあるだろうか。私はある。今日まさに消えた。いや、今日「消えた」ことを観測した。タイトルの通り、りそな銀行の口座だ。
原因は今生稀に見る、とても親切なサービス
りそな銀行には、親切にも長らく利用がない口座を凍結し、そして1万円未満しかない口座は、勝手に毎年1320円を管理手数料として徴収してくださり、最終的に口座を消すという、お金の大切さ、そして小まめに連絡する甲斐性といった、人間が社会生活を送る上で必要な要素を親切にも鍛えてくださる、今生稀に見るサービスがある。
そしてこの手数料については、事前に郵送物でアナウンスをして、そこから3カ月中に動きがないと本当に差し止めて徴収する仕組みをとっている。DXを推し進めている私のところに郵送物なんてのは届いてない。というのは関係がなく、登録住所が引っ越し前のもので、かつ引っ越してから1年が経過しているので転送もされていない、というカラクリだ。
これってクレーマーですか?
もちろん住所を変更しなかった私が悪い。しかし、何か手続きするにはやれ「店頭に来てください」「印鑑を押してください」など細かく要求する割には、そっちが得することに関しては確認が甘くないかね? 非対称的ではないかね? 郵送物を送るなら配達証明とかを使うべきではないか? と思ったわけである。これってクレーマーですか? クレーマーですよね。なお、本クレームは一切りそな銀行側には通告していない点は念押ししておく。
思い返せば、りそな銀行との思い出はロクなものがない。といってもそんなに多くはないのだが、せめてもの手向けに書き残そうと思う。
思い出1:「マエカブですか? アトカブですか?」
私と、りそな銀行の関係性は10年ほど前に始まった。もともとゆうちょとみずほ銀行の口座は持っていたが、給料の支払先として、りそな銀行のある支店を指定されたからだ。ちなみに「労働基準法施行規則」第7条の2第1項によると、企業に給与口座を指定する権利はない。(働き手の同意がなければ)違法である。ウブだった私が同意書かなんかに、うっかりサインしたのだろう。覚えていない。しかし当時もし私が突っぱねていたらこの記事も生まれていないので、不問としよう。
そんなこんなで、生まれて初めて、りそな銀行に足を運ぶことに。いわゆる三大メガバンクではないが、どこかメガバンクぶっている高慢ちきのイメージがあったため、不必要に警戒していった気もするし、そんなこともない気もする。3月の、桜が綺麗な道に支店があったことをよく覚えている。
口座開設の手続きで問われたのが「マエカブですか? アトカブですか?」。ちゃらんぽらんな大学生からすれば「は?」である。怪訝な顔をしていると「株式会社〇〇か、〇〇株式会社か」を問うていたことが分かったが、そんなことって調べれば良くないか? 何でわざわざこっちに聞くの? と思った。そして私は思い切りよく、調べることもせずに一か八か「マエカブだと思います」と答えた。記憶の限りでは、担当者は「はいそうですか」みたいな感じで調べもせずにやりとりをした。しかしこれは現段階の記憶であり、更新される可能性がある。
思い出2:勝手に借金させてくれた
季節は移り変わり、りそな銀行から足を洗った私は、他の口座と密な関係を築いていた。密な関係はコロナ禍でも続いた。なお、密接な関係にとどまり、密閉や密集はしていないので「3密」には当たらないと認識している。
あるとき、実家から連絡があった。何でも、りそな銀行からの書類で「カードローンお取引照合表」とかいう物騒なタイトルである。大学を卒業してからもしばらくはクレジットカードを作らないなど、無借金人生をウリにしてきた私には衝撃の文言だった。
いろいろ調べた結果、公共料金の支払元口座に設定したまま、口座を使わなくなったため、勝手にカードローンでお金を貸してくだすっていたらしい。審査もせず、何と寛大な銀行だろう! とは思わなかった。
間が悪いのが、自宅の購入を進めていた時期だったこと。キャッシュで買う財力なんて当たり前にないので、方々に住宅ローンの審査申請をしていたのだが、もしこんなことで信用にキズがついたら後悔してもしてもしきれない。結局、通知が来た後にすぐ返済したので事なきを得たのだが、その後も信用情報の開示サービスを使ったりするなど、非常にエキサイティングな経験を積むきっかけをくださったりそな銀行のきめ細かなサービスには感謝である。
だいたい、支払いの設定を変えなかったのが悪いし。
思い出3:クレイジーな書籍を窓口に置いていた
「思い出2」の、令和の借金騒動時のエピソード。住所もかなり前のものになっていたのでいろいろな手続きのため窓口に行ったところ、案内された半個室みたいなスペースに、書籍が置いてあった。まあ暇つぶしとか、待ち時間に読むのかなと思ってよ~く見ると、ぶったまげた。
その書籍のタイトルこそ『1円玉を体にはると超健康になる』である。まず健康を求めて銀行に行かないし、ましてや「超健康」になるつもりもない。というか1円玉を体にはるって何?
あまりに気になったので手に取った記憶はあるが、内容は全く覚えていない。唯一、読者相談みたいなコーナーで「1円玉をはっていることを、かかりつけ医に伝えた方が良いですか?」みたいな質問が寄せられていて笑った覚えがある。
久しぶりに思い出したので同書籍をAmazonで見ると
とある。決定版なんだ。へえ。続いて
ともある。当時、私は27歳。幸運にも25年前に起こった、その「大」ブームを知らない。1円玉とテープを持参する人も知らない。と思ったが、1円玉が偶然サイフにあり、何らかの理由でテープも所持している人は、いるかもね。
いったいどんな思惑でこのような書籍を置いたのか。りそな銀行の良識を疑わざるを得ない。
最後に
……長い間!!! くそお世話になりました!!!