SMにおけるペットプレイ(犬、ネコ等)の指南話。本質的な話。

ペットプレイについて調べてみたのですが、本質的なところが欠けている話が多くて、又聞きというか、コピペな文章が多かったので、世の中の御主人様達に向けて、失敗しないように色々整理しておきます。





ペットプレイもおかしなことではない

基本的にペットプレイを好むのはSM界隈の人です。詳細は後述します。ただおさえておいてほしいのですが、女性の下着(パンチラ)に興奮するとか。女性のうなじに興奮してしまうとか。髪を耳にかけている方が好きとか。誰が何に興奮するかは人それぞれです。ペットプレイは悪いことでも変なことでもありません。双方の合意があるかどうかだけです。不快にならなければ問題ないですし、パートナーがしたがっているのなら、応えられる範囲でやってみてもいいと思います。





ペットプレイを求める心理について

一般的な人と比べて、SやMの人は精神構造が異なります。ある特定のことに対してより興奮して喜んでしまうということです。

S側(御主人様側)は、相手を支配下におく。自分よりも相手を弱い立場にして優越感を感じる。相手と殊更特別な関係性になること等に喜びを見出だします。あるいは、M側が喜んでくれているから…と献身的な場合もあるでしょう。S側は誘導提案する側、いわばSの思惑通りに事態が運び、Sの願望は行動や言葉に表れるわけで、Sの内心は表出するので、あまり気にしなくてもいいと思います

M側は、三種類あります。曖昧であったり混ざっているので8割ぐらいは全種類共通ですが、微妙に違いが出てきます。ここを履き違えると失敗します。付随する感じですが、特別な関係性や背徳感に酔っている心理もあると思います。

恥、恥辱タイプ

やってはいけないということをやってしまうことに興奮して喜ぶタイプがこれです。優等生の息抜き的なタイプです。裸になるとか。露出するとか。放尿とか。動物のように我を忘れるとか。本当は駄目なはずだけど、それをしてしまうと興奮するというタイプです。本格的でハードなペットプレイが好きになるのはここでしょう。


所有タイプ

御主人様のものになりたい。ものとして好きに扱われる。御主人様の喜ぶ顔がうれしい。御主人様に所有される証として、なにか身に付けたい等。御主人様により近づく所有されることに喜びをみいだします。一番マイルドなペットプレイになると思います。


隷属、服従タイプ

命令されてそれをする。誰々の言いなりにしてしまうことに興奮するタイプです。無理難題に応えたい訳ではなく、出来るけれど恥ずかしくて無理!みたいな時に、丸々しなさいと強めな口調で命令されて、気弱にはい…と嬉しそうに答えるような従う行為に(やや強引に押し切られてやらされることに)興奮するタイプです。中間~ハードなペットプレイになるかと思います。





ペットプレイを始めるにあたって

S側の願望を押し付けたペットプレイは失敗します。Mの願望を満たすペットプレイを行う必要があります。上述の通り、ペットプレイを望む人はいますが、人により求めているものは若干異なります。もっと言えば、相手がしたい相手のなりたいペットとは何か?どんな感じか?を想像する必要があります。他のページだとこの辺が全部すっ飛ばされていて、こうするのが正解だ!みたいなごり押しだったので、それでは失敗して恥をかいたり、もうしたくないと敬遠されてしまいます。勿体ないてすね。ペットプレイを始めるぐらいにSMレベル(性的コミニュケーションレベル)が上がっているならば、そんな初歩的な失敗はないかもしれませんが、一応忠告しておきます。





ペットプレイの8割の基本要素

M側の三タイプのどれ寄りか?により変化が出てきますが、基本的な8割の重複する基本要素の部分を整理しておきます。


基本の8割

1、ご主人様が選んだ、首輪(リードやチェーン付きのもの)
2、ケモノ耳や尻尾(アナルプラグや腰につけるタイプ)や衣装
3、性感を挟んだり刺激できる小道具類、ラブ玩具。

恥、所有、隷属いずれのタイプであっても、どの文脈でも受け入れられるのは上記三点です。一番は首輪とリードです。ペットプレイを始めるという意識を変えるトリガーになり、普通こんなことはいけない恥、所有されること、命令されてつける服従することの三種類どの文脈の願望も満たします。

次いで、より雰囲気を盛り上げるそのペットになりきるという外堀を埋めた方が集中できます。なので、ケモノ耳や、尻尾もつけたそうなら”ご主人様が”選んであげましょう。ご主人様が興奮するようなお尻やお腹まるだしの恥ずかしい衣装も着せてあげましょう。所有タイプには、ご主人様からのプレゼントだよ。絶対似合うよ。きてくれたら嬉しいなと責めます。隷属タイプには、ほらこれを身に着けるんだ、恥ずかしい?早くしなさい。と冷淡に命令しましょう。恥ずかしいけどセクシーで可愛い衣装であればあるほど、恥タイプも興奮します。

ただし、”動物は服を着ないものだ””全裸だ”とM側がイメージしている場合には、服を着ると興奮できないかもしれないので、相手に聞いたり、よく反応を観察しましょう。一般的に、女性は可愛いものが好きなので、基本可愛い系グッズを選び褒めまくれば、テンションが上がってくれるはずです。

最後は常態的に刺激を与えられる玩具や道具ですね。ペットプレイとは物語や展開次第では飽きてきて白けてしまうことも出てくるかもしれません。本当にペットプレイ大好きならば、首輪と耳や衣装だけでも興奮しつづけてくれますが、少し冷静になってしまうこともあるかもしれません。言葉巧みに色々なことができるご主人様ならばそんなことはないのでしょうけれど、そこまでのレベルには簡単になれないので、遠出の車デートにBGMの音楽を持参するかのように、盛り下げないために性的な刺激を常に与えられる何かを身に着けさせたり、道具で苛められるようにしておきましょう。





残りの2割の要素

恥タイプが強い場合

恥タイプは、してはいけないと思っていること、NGだと思えるけど本当は少し興味がある。そこを「やってみなさい」と後押しすることが主流です。なので、相手がどこにNGっぽい(興味あるけどやったことない)ラインを引いているのかの見極めが肝心です。

露出、放尿、お皿での食事、柵にいれられる。リードをどこかに結び付けられる等々。相手が犬になりきる!!(人間をやめる我を捨てる)とはどの辺のことを想像しているのかよく観察、ヒアリングしましょう。結構ハードめなプレイも希望されるかもしれません。



所有タイプが強い場合

所有タイプは厳密には、ペットプレイそのものを求めている訳ではありません。所有タイプが求めているのは、ご主人様の喜ぶ顔やご主人様によって身につけさせられたり、指定されて身に着ける何かであったり。その根幹は、ご主人様らしい拘りを理解して従い、ご主人様との距離感が近づくことです。そしてその近づく過程で、最大限にご主人様に甘えられる(すべてを受け入れてもらえる)ことにあります。

恥タイプと異なり、丸々しなさいという命令は、相手の気持ちを汲んでNGっぽいラインを見極めて行うのではありません。ご主人様の願望を、君ならできるよね?してほしいな?というハードルを掲げて、超えても、超えられなくても、それを許容し十分に甘やかしてあげる流れになります。超えたらご褒美(ご主人様好みに近づいて嬉しいよ)という名の責めとなり。超えられなかったらお仕置き(今のままで十分可愛いけれど、もっとご主人様のものになってほしいな)という名の責めになります。



隷属タイプが強い場合

恥タイプは、隣を歩いているなにかうずうずしている犬にやってごらんと後押しする。所有タイプは、隣を歩いている犬をおだててやってごらんと後押しして、その後を沢山褒めるかまう。隷属タイプは、隣を歩いている犬のリードを様子を見ながら引っ張りまわし、終始ご主人様がリードするという感じでしょうか。

命令を破ったらお仕置きだよ。これは約束だからね。ご主人様の言うことが聞けないのかな等。命令の大切さ、従うこと、全部の命令にすぐにハイ(ワン)と答えるんだよ等、お前は従う側だということを強調し、どの辺の命令で興奮し、はい……したがいまひゅ…と腰砕けになっているのかをよく観察し、好きそうな命令を見極めていきましょう。






実践編 ~躾(しつけ)~

ペットプレイの基本概念はこれまで話した通りです。Mのタイプを見極めて責めてあげましょう。具体的な実践としては、躾のイメージです。

躾とは、こういう状況では、○○をするというルールブックを作り上げることです。ただし、0~1歳や、2歳の子供、3歳の子供で、それぞれ何を理解許容できるかのレベルが違います。ペットプレイも同様であり、相手や人によって、何に興奮して、どこまでのルール運用をできるのかは異なります。ここを履き違えてはいけません。よく相手を観察しましょう。

躾をするには、命令や約束事と、ご褒美(お仕置き)の徹底厳格です。相手が喜びそうな恥、所有、隷属のどれか文脈に則る命令やルールや約束事をまず課します。上手にできれば沢山褒めてご褒美をあげて、のせてあげましょう。カラオケで気持ちよく歌っている人に合いの手を入れるような、一緒にリズムをとって盛り上がっている感を出して、よりこれでいいんだ♪と乗ってもらう感じですかね。一方で、できなかった、命令が無理だった場合、命令や約束事を見直すのか(レベルが違い過ぎたと訂正するのか)。あるいは、本当はできそうだったら、お仕置きでそのハードルを越えさせるのかの見極めが必要です。とりあえずお仕置きをしながら、相手の反応をみて、もう仕方ないなぁ……と極めて冷静に、次からはハードルを下げることを肝に銘じましょう。

実際にどんな命令ややり方があるのか?は、犬の躾。ペットプレイに関するネット記事で具体論はいくらでも載っているので、本記事の中核の思考法を踏まえたうえで、好きなものを取り入れてみればよいと思います。





終わりに

ペットプレイは、M側はペットとしての至福の喜びと興奮を感じ、ご主人様側は、優越感や所有感の至福の喜びを感じることができます。本当のペットと同列に扱うのは怒られそうですが、愛玩動物とペットを表現した人は、まさに言いえて妙です。自分が所有し、自分だけのもので、自分の命令だけ聞く存在。自分だけの愛する玩具。ペットプレイがすすんでいくと、性欲とは異なるなんともいえない恍惚とした支配欲に満たされます。それがそのまま、相手への愛や、相手をかまいたい気持ち、相手を苛めたい気持ちに転嫁して、無限ループになっていきます。どんどん結びつきが強くなります。

自分の性器の大きさを女に自慢する褒めさせる。新しい玩具や体位やらで、あなただけ。あなたのが一番すごい。俺だけが○○をした等々、男はその支配欲を色々な手段で満たそうとします。で、失敗もいっぱいします。

感じたのは、その支配欲の本質的に満たし、その支配欲に一番忠実なのは、支配、被支配の関係性を追求するペットプレイにある気がします。できる人も限定されますし、やり方にコツや技術も必要でハードルが高いですが、上記のような押し付けや偽りや見栄っぱりの方法で支配欲を満たすよりも、凄く純粋でストレートで、これこそ嘘偽りや不純物のない王道な気がします。何を言っているんだと思わそうですが、一度パートナーとペットプレイを試してみてもらえれば、少しはこの気持ちが伝わるかもしれません。

以上、ネットにあんまり書いていなかったので整理してみたペットプレイの本質的な話でした。脳みそを使う分野を間違えている気がしてならない昨今。

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