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子供へのお金の教育、金銭教育について

追記

金銭教育について、1から理論構築してみましたが、もっとわかりやすく丁寧に書いてある本に出合えたので、ここに記述しておきます。参考になれば幸いです。拙記事では、子供にありのままに話そう。実体験(失敗)させよう。お金の見通しをもって貰おうが趣旨でした。

しかし記事を書いてから、外食代、習い事の月謝、文具の必要経費、おやつ代?ゲーム代?等、子供目線と大人目線の混ざり合った、お金の基準がいくつかあります。その複合基準について、どう折り合いをつけて説明しようか、記事で触れられなかった部分を考えていました。その点も本書ではまとめられています。投資、消費、浪費の三項目にするという話です。わかりやすく丁寧なので、少しお高いけどいい本だと思いました。




お金の教育や金銭教育とは3本の矢

何故我が子にお金の教育をしたいのか。それは、わが子には苦労してほしくないからです。よくある親心です。お金で苦労しないとは3種類あります。

1、お金の流れや価値や常識を把握していること ⇒相場感、需要と供給、税金等々基礎知識。

2、お金を十分に稼げること、⇒稼ぎが良い職に就く。割のいい職に就くか。自己投資を通じて給与を上げる算段をたてたり、副業したり、投資運用で不労所得を得たり等のスキル。

3、お金を危険や無駄に使って散財、なくさないこと。⇒浪費癖、散財癖になってほしくない。


公園遊びで考えた方がわかりやすいかもしれません。公園の遊び方やマナーを十分理解していること。その上で存分に遊んで活躍してもらうこと。そして大怪我や危険なことは程々に、十分理解したうえで遊んでほしいと、そういうことです。





お金の基本知識をもってもらうことは容易

世の中のお金の動きをまじまじとありのまま包み隠さず伝えればいいので、お金の知識を得ることは容易だと思います。モノの値段、場所や状況によって違う理由、税金やその流れ等々。子供が興味をあまり持ってなくても、回数をこなすことでいつか身に着きます。できればクイズにしたり、好奇心にふれるように動機意欲まで絡められるとなおよいでしょう。お出かけや買い物やらでどんどん話しあっていけばよくて、輸入牛肉と国産肉の値段の違い等身の回りの題材で十分にお金についていくらでも話せます。





お金を十分に稼ぐことの要点は3つ。

2番目のお金の稼ぎ方は複雑で多岐に渡るので、分解してみます。

・お金のする匂いを嗅ぎつける(アナリスト、投資家)

・お金のする匂いをもとに、自分でそこに立ち上げる(ベンチャー企業、行動力)

・自分で立ち上げなくても、匂いの方に向かう(優遇職、将来性の高い方向へ進めるスキル、できる社員、各種投資)

・お金の匂いには無縁で興味ないが、自分でそこに立ち上げる(行動力、問題意識をもてる人、誰かを助けられる人)

・お金の匂いには無縁で興味ないが、自分の強み弱みをよく知り自分だけが打ち込めることを知り、1芸1点特化で社会を生き抜く。



つまり、お金の稼ぎ方問題を整理すると、

お金に対する態度の問題

人生にはお金では測れないものは山ほどあります。自分の中の価値を大事にするタイプは、上から3番目までは無縁でしょう。

次は、行動力の問題

本当ならば行動力を持ってもらい困難や問題に立ち向かいその中でまた何かを得て、次に進むという人であってほしいと思います。それがひいては沢山の困ったを救い、結果的に最終的にはお金を稼ぐ力に繋がるからです。

最後は、強い個性と社会の適合

さかなくんや将棋の藤井さんとかでしょうか。みんなと違っても自分の信じることを、自分の信じる形で丁寧に向き合い突き詰めれば、お金に困らない形になることもあります。





お金で失敗してほしくない

お金に付きまとう失敗も、分解してみます。

・ギャンブルやハイリスク投資等、自己への過信や、一発当てて楽して稼ごうとする性質

・道楽。趣味や凝ったものにお金を使いすぎるか。好きなものがあると収支計算できなくなるか。破産しなければ、まぁセーフ。

・浪費家。虚栄心や見栄からくるブランド嗜好や、派手で高いもの嗜好。あるいは、物欲の強さや病的な不足感解消の購買行動か。病的。

・詐欺にあう、騙される。お金の知識の量と人の良さ、人情。相手を疑えるか。

・起業や投資で失敗。無謀・無鉄砲さ。

・低所得職や、底辺職を選んでしまう。金運のなさ男運みたいな。

・強い個性と社会の適合が叶わない=夢追い人。



お金での失敗を整理するならば、

金銭感覚を持ってほしい

 ⇒病的や極端で安直な見方で、お金を使わないでほしい。

 ⇒収支計算ができてほしい。現在と将来の見通しをもって収支計算。

詐欺や犯罪に巻き込まれない(人情とお金の線引き)

 ⇒お金への知識と、ある程度人を疑ったり、人情に流されないように。

行動力とリスク管理

 ⇒起業や投資やらで無謀なリスクを負わないでほしい。

個人の個性と社会との適合

 ⇒自分のしたいこと興味がある事ばかりじゃなくて、お金の生る方へある程度行ってほしい。





子供のお金の教育や金銭教育の要点整理

これまでの話をいったん整理します。お金の知識は折につれ話すことで、自然と知識増加をはかる。ではそこから先のお金をよりよく稼ぐや失敗しないについて、以下の要点にまとめられます。

1、子供のお金への態度価値観タイプ判断、子供の金銭感覚とは?

2、子供のお金関連の行動力

3、トラブル回避。リスク管理。

4、その子の個性と社会との適合




1、子供のお金への態度価値観と、金銭感覚

まずはお金に対する子供の態度が一番最初にあります。お金を稼ごうとするタイプか。上昇志向や物欲が強い方か。それとも自分の中の価値観で、お金では測れないものに執着するタイプか。お金への態度(人生で大事にするもの)は子供の先天的要素がかなり強いと思います。ただ、他の要素よりも環境や時代からの影響も強いでしょう。高度経済成長のような、やればやるだけお金が増えて右肩上がりの時代ではなく、頑張ってもお金が増えるとは限らないなら、そこそこの頑張りでいいやと思うようになったり。はたまた、実家が貧乏だったからハングリー精神が育って、絶対成功してやる!と夢を頑張る原動力になったり。結局のところ、親ができることは子供のタイプを見極めるだけだと思います。

注意が必要なのは、お金について教えようと口出し手出しするあまり、お金のことで子供を縛りすぎることによる弊害が多々ある点です。行動力のところで後述します。

次に、金銭感覚については、諸説研究が様々あります。親の金銭感覚が、それを見て育つ子供の金銭感覚にはそのままなりません。つまり親が清貧だから子供も清貧に、とはなりません。実家貧乏自慢のお笑い芸人は、成功したら裕福な生活をしています。成功したら派手な金の使い方をする成金と呼ばれる人たちもいます。幼少~少年期の金銭感覚教育は著しい効果はないと思います。行動経済学でノーベル賞取った人の本のうろ覚えですが、金銭感覚(生活経済水準)は、その人の現在収入と将来収支の見通しによるそうです。言い換えるなら、お金が十分あり、将来的にもお金が稼げ安泰だーとなったときに、その人の本当のお金の使い方や使い道の気質がでてくるということです。かろうじて、その見通しは甘い!という点は、知識教育ができます。




2、行動力

行動力を分解してみます。

想像の為に結び付けられる、土台となる経験や知識群、

それに類するできそうだという見通し、経験値(自信)

その気持ちを後押ししたり、肯定してくれる周囲

例えば、祖父母の家に一人で自転車で行ってみる!と行動するには、自転車に乗れるとか、祖父母の家までの道筋を知っているとか、道の調べ方がわかるとか。とそういう様々な土台の知識や経験が必要です。やってみようと思った後、それに近い距離を走ったことがあるから自分なら大丈夫とか。自転車で疲れたことがないからどこまでも走れるだろう!という見通しをもって臨む。祖父母の家が一泊しないと自転車ではとてもいけない距離ならば、野外泊について知識や経験値も必要になるでしょう。

そんなことして何になる?とか。危ないからやめなさい。ダメだからやめなさいと自分の価値観に囚われた態度に出ると、子供は委縮してだんだん言い出さなくなります。お金についていろいろと指摘すると、子供の経験ややってみようという意欲を奪います。ペットを飼う人の気持ちがわからないで書いたように、他の人の興味関心や価値の尺度なんて理解できないものなんです。それはわが子でも同様。だからやりたいなら、危ない部分や見通しが甘い部分だけ指摘して、練習させたり準備の手伝いをするのが、子供の知識経験を増やして、それを結び付けてまた行動できる人間にどんどんなっていき、知恵と行動力を兼ね備えた人になるんじゃないでしょうか。そこでする失敗もまた学びなのです。




3、トラブル回避、リスク回避

お金問題で人とトラブルを起こしたり巻き込まれないようにすることです。これは事前によくある失敗例を教えたり、絶対ダメなラインを教えましょう。

上手い話の罠や投資家、浪費家の失敗談、失敗例

詐欺や軽犯罪について。悪意からの防御対処法

万引きやタバコや器物破損等の友人知人からの悪への勧誘防御対処法

人情とお金(連帯保証人)と借金への対処法。


巧みな上手い話の罠や詐欺や架空請求やそれに対処する方法を伝え、罠や悪意から身を守る。そして、善意であっても、友人からの勧めやらであっても、借金やお金の事で人が争うこと、トラブルになりそうなこと。連帯保証人には絶対なってはいけない。貸す金はあげたものとして渡すとか。細かい線引きは各家庭で違うと思いますが、こういう視点で、子供に知識を伝えていくことが必要だと思います。




4、強い個性と社会との適合

難しすぎるしこれだけで1記事書けそうなので。いつかの機会に。ただシンプルにまとめるなら、完全に将来を見通せるわけでもない親の見通しで、その道は辞めた方がいいよというのは短絡的過ぎるし、一方で、夢というハイリスクな道を、好きなようにやりなさいと安易に背中を押すのも短絡的過ぎます。その都度子供と向き合って話し合って双方納得した答えを、導いていくしかないでしょう。




まとめ

金銭教育について、まとめます。

基礎知識や土台となる知識経験を身に着けてもらうため、お金関連の話を普段から沢山するようにする。

子供のお金への態度は様々なので、まずはそれを見極める。

金銭感覚は教えることができない(その時点時点の子供の収入状況で、消費行動は変化する)ので、子供のうちにお金を持たせ過ぎない、将来までお金を沢山使えると思わせない。将来収入の見通しの甘さについては、知識や経験で教育可能かも。

お金にまつわるトラブル、よくある詐欺や架空請求、万引きなどの犯罪行為の知識や、どうなるかどうすればいいかを伝えておく。人情的な金銭トラブルの知識や連帯保証人ダメ絶対!とトラブルについてもよく話す。

やりたいことは好きにやらせる。しかし見通しが甘いもの、危険、経験不足な点は指摘して、その工夫や克服についてアドバイスしたりお手本を見せる。場数を踏む経験を積む。最終案全ラインを用意する。





終わりに よくある失敗例?

我慢や苦労させる → お金が大事 → 無駄遣いしない

家で疑似お金体験をさせる → お金の知識が増える → 金銭教育

お小遣いでお金を管理させる → お金の管理力が身に着く → 金銭教育


金銭教育という話題になると、上述のロジック的な手法が取り上げられることが多いですが、私は批判的です。

1番目の苦労したから大事だと思うについて。お米を食べ過ぎる子がいて、お米を食べ過ぎないように稲作をやらせて、お前が食べてるお米は大変なことがわかったか??食べる量を減らせ。もっと食べたいなら稲作をしろ、稲作を手伝え!って変な話だと思います。私が子供なら、稲作頑張ってもっと食べようとか食の尊さ!とはならずに!面倒だ!大変すぎる!いいよ、食べなきゃいいんでしょとやる気をなくします。子供にしたら、そんな小難しい面倒なことより、遊びたい気持ちの方が強いわけですから。何かしたからお金がもらえる、労働の対価だとか、お金は大事、我慢とか、お金は苦労というものは不純物で、もっとシンプルに算数の話でしかないと思います。

自分でお金を稼ぐようになれば算数なんて簡単にできている訳なので、お金が大事苦労我慢!等という親の型にはめる方が悪影響が大きいと思います。但し、うちの両親はお金を持っている。ごねれば手に入る。何かあれば両親の財布からお金をひっぱれると当てにするように子供のうちからさせることは、将来収入の見通しという算数の計算式がくるってしまうので、子供にさせてはいけません。

2番目の、お金の疑似体験をさせるも懐疑的です。疑似体験とは面接練習みたいなもので、本番では失敗できない!とか、本番をする機会が少ないから仮に似せた経験を積もうという趣旨のものです。お金を使うに関しては疑似ではなくて、本当の体験経験をさせればいいんじゃないでしょうか。支払いに同席してもいいですし、500円でできること!みたいなテーマで考える機会があってもいいですし。食材を選んで買ってもらってもいいでしょうし。

3番目のお小遣いやお小遣い帳で管理能力アップも懐疑的です。これまで話してきたように、自分で支払いをする=金銭の相場感指標やらお金の知識経験が身に着くは正しいです。ただ、使ったものをこまめに記録する、収支をつける等が、本当にお金の管理能力に繋がるのでしょうか。夏休みの宿題みたいなものです。必ずスケジュールを立てて、毎日スケジュール通りか確認する。そういう方法が夏休みの宿題の進め方を理解したり身に着ける方法なのでしょうか。とりあえず余裕見て進めておいて、後半に帳尻を合わせるタイプ。後半のスイッチが入ってから駆け抜けるタイプ。管理の仕方は様々いると思います。こまめな記録をつけさせること自体に効果は薄いと思います。”見通しの甘さ”を学ばせるべく途中報告や経過報告の機会と反省検討する機会を設けるぐらいで、さらに細かな部分は各子供に合った方法があると思います。


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