掌側板付着部裂離骨折、損傷の固定について
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
臨床で非常に多い外傷ですが、掌側板付着部裂離骨折や掌側板損傷において注意することを書いていきます
掌側版付着部裂離骨折とは
多くはスポーツ外傷で発生する外傷になります
発生機序は指の過伸展により多く発生します
簡単ではありますが、解剖や位置関係などを参考にしてください
教科書上注意点として
①PIP関節背側脱臼に合併して発生すること
②捻挫と誤診されること
③骨癒合不全による掌側不安定が起こること(これはスワンネック変形の要因となります)
④運動痛、関節拘縮を起こすこと
が挙げられています
ですが、臨床上非常に大事なことがあります
掌側板付着部裂離骨折損傷のポイント
一番重要なのは、拘縮を起こさないことです
拘縮はどのようなパターンで起こるのかというと
①動かさなすぎ
②固定によるもの
これが原因で起こるものが経験上多いと思います
骨癒合がちゃんと得られたとしても、拘縮が起きていて、動かせなかったとしたら患者にとっては不利益になってちゃいますよね
骨癒合が完全に得られなかったとしても、指の屈曲が問題なければ、患者の満足度は、拘縮が起きた場合に比べて高いと思います
ただ、固定がダメだというわけではなくて、ちゃんとした固定法があります
掌側板付着部裂離骨折損傷の固定について
固定を考える上で、整理したいのがこの損傷は
①過伸展損傷であること
②固定による屈曲拘縮が発生すること
以上の点を踏まえて、僕が病院時代に教えていただいた固定をご紹介したいと思います
それは、背側をブロックして、掌側をフリーにした固定になります
この固定では、
・過伸展を防止できる点
・掌側フリーなので屈曲がフリーな点があるために、再転位の心配がない
・屈曲は自由に行え、患者は日常で動かすので拘縮の心配がない
・握る動作ができるので、日常生活動作に支障が出にくい
・固定除去後の後療が非常に楽
というメリットがあります
フリーにせず固定をガッツリ行うパターンは患者が痛すぎて動かすと苦痛な場合くらいですね
機能的に治すことに重点をおいた方が良い損傷もございますので参考になれば幸いです
拘縮が起きてしまうと、いつ治るのかと聞かれた時に答えづらいですよね
骨はくっついたから治ってますって言っても、患者は納得しません
患者にとってベストはなんなのか、これを常に考えて施術を行っていきたいですね
明日も臨床頑張りましょう
ではまた
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