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楠本奇蹄
2021年3月13日 14:29
直線がいつ爛れたか夜の梅春炬燵の仲で手櫛がとほらない啓蟄の肘うす昏く脱衣かな夜の先を隘路と告げて春の雨ジェラートの溶けぬ小窓を鳥帰る三月のあくびが曲がる船着場アレッポのしやぼんで春の耳を洗ふ微笑みは苺ミルクか鮮血かおぼろづき父の父の名を知らない石の冷え握る三月十一日✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳