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壮絶な結末が待っていた

ともぐい 河崎秋子著 170回直木賞受賞作

猟師が熊と死闘を重ねるお話しと思い込んで読み(聴き)始めたので、この結末には正直驚いた。
熊との闘いの描写も迫力あるが、冬山の凛とした空気や森の佇まい、犬や獣たちの営みも、まるで目の前で繰り広げられているような丁寧な描写で臨場感がある。
山で、強いものが生き残るという営みを貫いた主人公は美しい。

そして、著者がタイトルに込めたメッセージを考える。
熊は、自らが生きる為、自らの種を残すために同族をも殺し、屍を食べる。
はたして人はどうだろうかと問うているように思えた。


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