エロ本制作現場 その2
当日。通勤が原付だったので朝4時に会社に来るよう言われ、少し早めに到着した僕に先輩ADの怒号が飛んだ。
「おせーよ! 早くこれ運べ!」
もうすでにパネルバンの荷室の半分は機材やら小道具で埋まっていた。僕は思考が追いつかないまま先輩に小突かれつつ、昨日洗ったアナルバイブやら麻縄やらの入ったプラスチックの箱を積み込んだ。
40分ほどで着いた現場は、純和風の一軒家スタジオだった。今日の現場は、ある事情で拘禁され、緊縛調教に晒されアナルを激しく責められて、理性を破壊される令嬢の話だった。荷物を積み下ろした僕はツナギと呼ばれる間食を買いに、自転車でコンビニに行く指示を与えられた。
「あとパンツとタンポンも買ってこい」
「タンポンですか??」
「急に生理になったら血止めてヒモ切って撮影は続行すんの。良いから早く行ってこいよ」
人生において、タンポンを買うのは初めてだった。サイズがあるのか?ナニか用途別の種類があるのか?あれだけ通ったSMクラブでも、タンポンプレイというのは最後まで手を付けずにいたことを今更ながら後悔したりした。早朝、部活の朝練前の女子高生の、奇異なものを見る視線に耐えつつ、タンポンと女性用パンツをなんとか選んだ。
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