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たとえばそれは、一杯のコーヒーだったりする

いかに汗をかかずに一日を終えるか、が最近のミッション。なるべく汗をかきたくない。外に買い物に出なければいけないとして、3分置きくらいに避暑できる場所をマップ上で見繕い、小休憩しながらじゃないと外出さえできない。命の危険を感じる。

「部屋のなかでも熱中症になる危険があります、部屋を涼しく保って、こまめな水分補給を!」とか言われるし、もうどうしたらいいかわからない。生き延びたい。

なんだかもっと、自分のことに集中できればいいんだろうな。

暑いのは嫌だとか。汗をかきたくないとか。食料調達のために外に出るか、はたまたウーバーするかで30分悩むとか。ウーバーにするならするで、どの店で何を頼むかとか。折りたたみタイプの日傘どこにしまったっけとか。いいかげん新しいサンダル買わないといけないな、とか。

卑近な、自分だけの事情について、それは往々にしてどうでもいいことだらけなんだけど、そういうことでウンウン悩んでいれば、きっと他者のどうでもいい範囲に割って入って傷つけるようなこと、できない。

その人が何を考え、何を重んじながら生きているか、知ったり想像したりすることは尊いけれど、自分に関係のない範囲やコントロールできない事柄さえずんずん荒らしまわり、他者も自分も傷つけるような言葉を散らばして帰ることに、あまり意味はないのだと思う。

たくさんのものに救われながら生きてきた。だから、なるべくたくさんの人が自分のことに集中して、語るべきことは語って、やるべきことができるような社会に近づいてくれれば、きっとそれが今の私にとっての幸せ。

たとえばそれは、朝一番に淹れるコーヒーの濃い香りが、心を落ち着かせてくれることと似ている。


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