短歌連作16首「カッターシャツがもう硬くない」
ブレザーを纏し君は二歩先をインディゴ地平線へ向かって
あたたかい春一番にあおられてピンクの服を着たい少年
丸つけの音を聞いたら踊りだす職員室の隅のさすまた
絶対の音を統べてるこの耳に君が叩いたシのフラット鳴る
からんころカルピスを混ぜるあの棒をねぶったあとの唾液が気になる
駅で見たSHISHAMOのボーカルみたいな子顔出しパネルでしっかりとはしゃぐ
猫ならば推定5歳のコンバースフォレスト・ガンプの前を走って
塾帰り僕の心を埋めていくホットスナックの雑な暖かさ
絵の具なら青が無くなる季節にてカッターシャツがもう硬くない
5時間目農家が喜ぶ音がして校舎全体を落とし蓋する
赤赤赤赤黒赤赤赤赤黒ポイが破れて音が聞こえる
2時間の沈黙の後のフードコートこの後うるさい音が鳴ります
好きだったALTの先生はグリーンデイに日本茶を飲む
カンカンで飼った金魚を埋めるときあがる花火の音はなくても
日の丸と言うべき空の初盆に精霊馬にkawasakiと彫る
母が抱くと泣き止んだ 小雨が馴染んだリネンシャツのように
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