奇譚・竹取物語
平安時代に成立したと言われている竹取物語。
月から使者がくると言うことは、作者は月を天体だと認識していた?
そう考えると、若干のSF味を感じますよね。
そこで、月からの使者の視点で、ループものを盛り込んでChatGPTに小説を書いてもらいました。
少し設定を盛り込みすぎてとっ散らかっちゃてますが、どうぞお楽しみください!
月の光が冴え渡る夜、私は地上に降り立った。使命は、かぐや姫を迎えに行くこと――だが、実はそれだけではなかった。
私はかつてのかぐや姫、先代の「かぐや姫」だった。
地上での経験を思い出すたび、胸が締め付けられる。私もまた、竹取の翁とその妻に育てられ、彼らを愛し、彼らに愛されていた。しかし、月の掟は冷酷だ。私たち姫は地上に降り立ち、一定の時を過ごした後、必ず月に帰らなければならない。そして、地上での記憶は消される――ただし、次の姫を迎えに行く使命を受けるまでは。
私の任務は、このかぐや姫を月へと連れ帰ることだが、心の奥でひとつの思いがずっと私を苦しめていた。竹取の翁に、自分がかつてのかぐや姫であることを伝えたいという思いだ。
私がかつて愛した翁は、今のかぐや姫を同じように大切にしている。それを見るたび、私は涙をこらえずにはいられない。しかし、契約によって、私は自分の口から真実を明かすことができない。それがこのループの掟だ。代々のかぐや姫は、月と地上を繰り返し往復し、その真実を知りながらも、誰にも伝えることができない。
だが、どうにかして証拠を残したい。せめて、翁が真実に気付いてくれるように。
かぐや姫が地上で過ごした時間が終わりを迎え、月の使者としての私の役目が迫っていた。翁とその妻が、今のかぐや姫との最後の別れを告げるその時、私は一歩、家の中に踏み出した。竹取の翁が涙ながらにかぐや姫を見つめている姿が、かつての自分の記憶と重なる。あの時、私も彼にこうして別れを告げたのだ。
かぐや姫が月に帰る準備を進める間、私はそっと翁の目に触れない場所に、一本の竹を置いた。それは、私がかつて竹から生まれた時に抱いていた竹の一片だった。月に戻される前、私はひとつだけ、その竹をこっそり残していたのだ。
「これで、いつか気づいてくれるかもしれない…」
心の中でそう呟き、私は再びかぐや姫の前に立つ。彼女の瞳は、かつての私のように月へ帰ることへの寂しさで揺れていた。しかし、彼女もまた、地上での愛と別れを超えた存在として、月に戻る運命を受け入れつつあった。
「さあ、行きましょうか。」
私は優しく彼女に声をかけた。かぐや姫は私に微笑みを返し、頷く。その姿に、かつての自分を重ね、胸が締め付けられる。しかし、私には時間がない。今、できることは限られている。
かぐや姫が光の中に包まれていく中、私たちは竹取の翁のもとを去った。ふと振り返ると、翁は小さな竹の一片に気付いた様子だった。彼がその竹を手に取る姿を見て、私は微かに微笑んだ。言葉は交わせないが、彼が私の存在に気づいてくれることを願った。
やがて、私たちは月の光に完全に包まれ、地上から離れていった。かぐや姫はもう月の住人となり、地上での記憶を失っていくだろう。しかし、私は覚えている。地上での時間、愛し愛された記憶、そして今、また新たに同じ運命を繰り返すこと。
月に帰ったかぐや姫は穏やかな顔をしていた。彼女は自分の役割を果たし、次なる運命に備えていた。しかし、私はそのたびに胸を締めつけられる。次にこの役割を担うのは、また別のかぐや姫。彼女もまた、同じ愛と別れを経験し、その後、私と同じように使者として地上に降り立つだろう。
それでも、私は小さな希望を抱いている。竹取の翁が、あの竹を手にした時、私たちの間にある繰り返される運命の一端に気付いてくれるかもしれないと。
そして、たとえ月と地上を繰り返し往復する運命が続こうとも、私たちが心を通わせることができる日が来るのを、私はひそかに願っている。
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