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「もしも一年後、この世にいないとしたら」を考えてみる

「もしも一年後、この世にいないとしたら」。

こちらは、国立がん研究センターで「がん患者3500人以上」と向き合ってきた、精神科医の清水研先生の著書です。
どのように生きれば、死ぬときに後悔しないのか。
そのヒントが随所に散りばめられています。

この本のタイトルを見た直後、残された一年を自分ならどう生きるだろうか、としばらく考え込んでしまいました。

今もどこかで誰かが亡くなっていて、「死」は日常にありふれている。
けれど、自分の事になると、急に「死」が異次元の出来事のように感じられてしまいます。

若くて健康なうちは、死について考えなくてもよいのかというと、そんなことはありません。
明日、交通事故に巻き込まれて命を落とすかもしれないし、明後日、体調を崩して病院へ行ったら、「末期がんです」と告げられるかもしれない。

もしも末期がんを宣告されたら、きっと精神的な余裕はなくなってしまうでしょう。
「寿命まであと〇年もあるな。老後は何をして時間をつぶそう」などと気楽に考えていた頃の自分は、二度と戻ってきません。

心も体も元気な時にこそ、「もしも一年後、この世にいないとしたら。」を考えるべきと思ったので、少しそのことについて書きたいと思います。

1.残された家族・友人のために、自分がいなくなった後で必要になる手続きをノートにまとめておく

自室の机の引き出しの一番目立つところに、「自分に何かあったらノート」を入れておくのはいかがでしょうか。
特にご家族がいらっしゃる方は、残された方が途方に暮れないように、しっかり準備をしておく必要があるかと思います。

住宅ローン、生命保険、銀行口座、税金関係。挙げていくとキリがないですが、自分しか詳細を把握していないことは意外と多いですよね。

何かあったら、引き出しの中に入れてあるノートを見てね」とだけ伝えておけば、自分も相手も気が楽になると思います。

2.会いたい人に会いに行く

「一年後にこの世からいなくなる」と考えてみた時に、何人か会いたい人の顔が思い浮かぶかと思います。

いつでも会えると思って先延ばしにしがちですが、アレの感染が広がって思い知らされた通り、会えるうちに会っておかないと二度と会えないかもしれないのです。
自分よりも先に、相手が亡くなる可能性だって0ではありません。

私はワクチン接種が完了したら、真っ先に家族や友人に会いに行って、伝えたかったことを伝えようと思います。

3.毎日を大切に生きる

普段、惰性で生きている方は多いのではないでしょうか。
私も東京で忙しくしていた頃は、毎日機械的に仕事をこなし、感情もセーブして「早く今日が終わらないかな」とぼやくことが多々ありました。
人生は一度きりなのに、受動的な生き方をしていてはもったいないですよね。

・通勤途中の木々や草花の変化で季節を感じる
・家の周りを掃除する
・家族との会話を大切にする
・何かを手作りしてみる

など、人生を楽しむヒントはあちこちにありますので、日常の小さなことから大切にしていきたいと思います。

4.物を持ちすぎない

以前の私は、なかなか物を捨てられずにため込む性格でした。
ある日、疲れが溜まっていた時にふと部屋を見渡して、「この中で本当に大切な物は一握りしかないな」と気付きました。

あれば安心、わざわざ捨てなくてもいい、いつか使うかも。このような考えで、多くの物をため込んで、それらが部屋に溢れかえっていたのです。

それからは、「やましたひでこさん」や「こんまりさん」に刺激を受けて、断捨離やときめくものだけを残してきれいに整理することを意識しました。
部屋も心もすっきりして、今は快適な生活を送っています。

とはいえ、生きていれば物は増えていくのが当たり前なので、最低限、以下のルールは守っていこうと思います。

・他人が捨てるのに困るものは自分で捨てておく(写真や手紙など)
・コレクションは厳選を重ねて数を絞る
・服などの消耗品は8割収納を心がける(2割分のスペースは空けておく)

5.やりたいことをリスト化して、できるうちに叶えていく

行きたいところ、食べたいもの、見たい映画など。
皆さんも「やりたいけど行動に移せない」と思っていることがたくさんあるのではないでしょうか。

「人生があと一年だったら」と考えると、今すぐにでもやらなきゃと思うのに、何も考えずに毎日を過ごしていると「いつかやればいいや」と思えてしまいますよね。

でも、もし病気で入院することになって、退院の目途もつかないような状況に陥ってしまったら、きっと「早く行動しておけばよかった」と後悔することになります。
そうなる前に、自分だけの「やりたいことリスト」を作って、少しずつ達成していきましょう。

まとめ

以上、5点を挙げてみました。

3年ほど前に、東京から札幌への移住を実現して、「いつ死んでも後悔はない」と思っていたはずでした。
でも、今回文字に起こしたことで、意外とまだまだやり残したことがあると認識することが出来ました。

「死」を意識すると、人生の優先順位が明確に見えてきます。
後悔のない選択をしながら大切に生きていくことで、これまでよりも濃密な日常が送れるようになることは間違いないと思います。

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