小数点以下の感情(0.999…)乙
メンソレータムを塗ったあと季節の裂け目にキスをする。
ドライフルーツが水分を思い出すときの感情。
芽吹く瞬間の不快な香りを感じたら春。
点滅している信号と同じ心拍音。
恋の炎は何を燃やしたのかわからない。
遺伝子の隙間には血液が流れている。
彼の涙の温度は37.0℃。
人生に意味を付けたがる節はハサミでバラバラに切り捨てた。
ただ満ちては引くようにできているカラダ。
孤独と春が2:1の割合でやってくる。
わたしの部屋は野生の香りがしている。
雪は白いのに体温に触れると透明になる。
100円のライターから出る火と自然な火の違いがわからない。
忘れてしまったパステルカラーの瞳。
盆の灯籠はふぁっしょなぶる。
ほつれた胞子は風に吹かれて我を思い出す。
櫛の隙間を埋めるように髪を這わす。
ほっぷこーんの香りがする首筋。
ひと、ひと、ひとの群れをプレパラートに乗せて顕微鏡で見ると単体でキラキラ。
しっとりと歌い上げる鳩時計。
ガラケーの文字の点滅はメトロノーム。
ダムの底にはなんの死体が埋まっているの。
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