自然を守るには、お金がかかります。
私の住む岐阜県の田舎町は、98%が森林で占められています。
人の数よりも、イノシシ、ニホンジカ、サル、熊の方が多い町です。
農林水産省とは、聞いたことがあるでしょうが、その下に林野庁があります。かつて、日本の木材は、高度成長期に需要が増加し、林野庁の支局として、営林署が各県に置かれ、造林・育林が実施されました。
木材不況とともに、1998年に、組織改編され、森林管理事務所等に名称が変更され、スリム化されました。
当時は、地方の山間部自治体へ営林署の職員が中途採用され、町村の職員になりました。私の村(後に市町村合併により町となる)は、熊本県出身の営林署の職員を受け入れました。
2022現在では、SDGsやカーボンニュートラルの動き、円安から、木材単価の高騰を背景に、木材生産量の増加と間伐の促進が行われつつあります。
2024年からでしょうか、森林環境税(一人1000円)の財源が見込まれ、森林面積などにより、山間部に財源の確保が予定されていることから、山の暮らしにチャンスも到来しています。
私の町の森林組合の課題は、次のとおりです。(揖斐郡森林組合)
・木材の素材生産量を増やしたい
・林業事業の生産性を上げたい。
・高性能林業機械を導入したい。
・事務所や下請けの人員を増やしたい。
これらの課題を克服するために次のように改善がなされています。
・給料の見直しを行い待遇改善を行いつつあります。
・月給制の森林技術者の就業時間を見直し、事務職員と同じにしました。
・雨の日でも稼働できる現場を作りました。
・週1回、作業班長も参加して作業工程を打ち合わせるようにしました。
いままでの低迷した森林組合から、活気を取り戻そうと給与面の見直しや、効率化を図り、山林従事者の就労を一層、求めています。
20年ほど前には、森の交流大使と称した若者が、国費により山間部の森林組合や自治体で、臨時職員として雇用したり、若手林業技術作業員を雇用したりしてきましたが、長い木材不況に負け、制度が消滅してしましました。
あの時、夢を持ってきた若者を犠牲にしたようなことを思い出します。
これからは、一旦、決めた制度は、行政がしっかり、財源を約束し、山の防人として従事してもらえるなら、はじめてでも、就労できるよう研修制度をしっかり整備し、
国が示す従事者単価(1日20,600円年ごとに改定)を支払うことができるよう受け入れ体制を整えなければならないと思います。
森林の新たな価値の創造と山村地域の振興(岐阜県)
施策の柱(第4期岐阜県森林づくり基本計計画書抜粋)
5 森林空間等を活用した森林サービス産業の育成による山村振興
(1)新たな雇用と収入を生み出す森林サビース産業の育成
〇「森林サービス産業推進協議会」の設立
〇ツアーガイドの育成 〇異業種交流会等の開催
〇森林クレジットと森林信託の仕組みの検討 他
(2)ぎふ木育30年ビジョンの実現に向けた「ぎふ木育」の新たな展開
〇ぎふ木遊館におけるプログラムの開発・実施
〇木のおもちゃ等導入支援 〇移動型体験プログラムの実施
〇指導者等の育成・スキルアップ・活用の推進 他
6きのこなどの特用林産物の振興
〇きのこ生産資材の安定供給支援 〇きのこ生産者の新規参入支援
〇生産現場のニーズをとらえた技術開発と普及
〇都市部や海外への販路拡大支援