見出し画像

【#クマ活】調査隊出動!ヒグマ侵入防止・電気柵編!(2020年11月)

世界自然遺産 知床。
北海道の自然を代表する大型哺乳類
ヒグマの高密度生息地として有名ですが、
知床のヒグマ問題は深刻化しています。
ヒグマの人慣れや
ヒグマ渋滞(ベアジャム)の発生、
市街地への侵入などなど

この問題を解決するべく、
私たちは「クマ活」を行うことにしました!

北こぶしリゾートの60年の恩返しとして、
知床をつづけていく活動に本気で取り組みます!

「動物園」では、一般的にオリの中にいる「動物たち」を身近に見たり触れたりすることができます。しかし、この知床・ウトロの街では、オリの中に入っているのは「人間側」だということをご存知でしょうか?

ウトロの街は、防鹿柵やヒグマ侵入防止用の電気柵にぐるっと囲まれています。

ヒグマの住む森に囲まれたこの街で、私たちが安心安全に過ごすために欠かせない「ヒグマ侵入防止・電気柵」を調査しに行ってきました!


まずはウトロのスキー場へ

私たちの住む街・ウトロの山側にはスキー場があります。(私も初めて行きました!笑)地元住人向けの憩いの場の片隅に、白くて四角い箱が二つ。開けてみると機械が入っています。これは電気柵の主電源!

7000Vもの高圧の電気が一定の間隔で流れている「電気柵」は、約7キロに渡ってウトロの街をぐるっと囲んでいて、その電気がこの機械から流れているようす…。

辿っていくと…、ありました!電線!

高さ3mある防鹿柵とひざ下の高さに一本の白い線、これが電気柵です。

この電線にものや動物が触れることによって電流が流れます。その衝撃に動物がびっくりして逃げる、という仕組みになっているとのことです。

「電気柵」が「オリ」であるために

この電気柵にはこまめなメンテナンスが必要です。それを担っているのが知床財団さんにメンテナンスの詳細を伺いました。(いつもお世話になっています!)

こちらの小さな機械を使うと、電流の流れの強さ(A:アンペア)と電圧(V)がわかります。表示されている矢印は電流の流れの向きを表示していて、これが表示されているということは「どこから電気が逃げている」ということだそうです。

この矢印の先には…
電流を逃がしている犯人発見!!

このように倒木や葉っぱ等、なにかが電線に触れているとそこから電気が逃げてしまい、必要なとき(動物が現れた時)に効果が発揮されなくなってしまいます。他にも、夏には草刈りを定期的に行うなど日々のメンテナンスを行うことで、この一本の細い電線がオリのようになり私たちの安心・安全を保ってくれています。

本当に知床財団さん、ありがとうございます。

クマ活で電気柵周辺の草刈りを行った様子はこちら

ちなみに電気柵監視システムEfMoS(エフモス)が設定されており、スマートフォンのアプリを見ればその状態を確認することができます。超便利!

ウトロのキャンプ場は合戦の地だった!?


次なる調査地はウトロの高台にあるキャンプ場「国設知床野営場」。こちらにも防鹿柵と一緒に電気柵が張られています。
ここは、ウトロの町の中でも世界遺産側に近いところにあり、緑豊かな場所に囲まれているおかげ(?)で、よくヒグマが入ってきやすいそうです。電気柵がまだ設置されていなかった頃は頻繁にヒグマが目撃され、宿泊の方を避難させたり、草藪に潜んだヒグマと攻防を繰り広げたり。中には木の上に登ってしまった子グマを麻酔を使用し捕獲したというようなケースも。
地域住民や学校に通学する子どもたちの安全を確保するために、知床財団のヒグマ対策スタッフが早朝から対応に当たっていたことが数えきれないほどあったそうです。

ヒグマの侵入を防ぐために、崖ぎりぎり・海が見えるところまで電気柵が引っ張られています。 海水の塩が付着して、電気が正常に流れないというトラブルも…。電気柵のメンテナンスには様々な戦いが続きます。

このようにして知床・ウトロの街は安全・安心に守られているのです。

皆さんも知らぬ間に、電気柵や防鹿柵に囲まれているかも…?

知床に来た際は、ヒグマと共存を目指す街の取り組みを体感してみてください!

今後とも北こぶしリゾートはクマ活、知床をつづけていく活動に取り組んでいきます!


※電気柵に積極的に触れるようなことはしないでください。
電気の出力は6000~10000Vと高電圧ですが、通電時間は0.01秒以下となっており、安全な範囲に収められています。通電間隔も1秒ほどあり、仮に誤って触れてしまった場合の危険回避が可能です。ただし、電気柵に積極的に触れるようなことはしないでください。ペースメーカー等を装着されている方は、特に注意が必要です。

興味がわいた方はこちらもチェック!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?