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【クマ活】ヒグマが街に入ってこないように草刈りをしています!(2022年6月)

ヒグマとの共存を目指す「クマ活」では、ヒグマが街に入ってこないように草刈りをしています!

2022年は5月に引き続き、6月8日と9日の二日間にかけて、知床ウトロ地区の草刈りを行いました!
今回は「知床サス旅」として、全国各地からクマ活に参加するために知床までお越しになった方もいらっしゃいました!

今回草刈りをした場所は、2020年・2021年にもクマ活として草刈りをしたオオイタドリが生える海岸沿いの斜面です。

北こぶし知床から歩いて5分かからないこの場所、実際にクマが潜んだことがあり、昨年2021年にはこの場所でクマが駆除されました。世界遺産の森から海岸線を伝って街に近づき、人知れず道路を横、草やぶに潜んでいたようです。その時に草刈りでは、活動中にクマの糞がいくつも出てきて、参加者は「本当にここにクマがいるのかと」驚かされました。

この斜面はいくつかの沢があり、クマはそこに迷い込んでいってしまいます。そして、気が付けば住宅に近づいてしまうのです。崖の真上に出たところには、夕陽のあたる家や国営野営場、5月に草刈りをした場所もあります。

クマの通り道になりそうな場所に草やぶを残さない、クマが街に近づくのをやめようと思える空間を作ることを目指して、草刈りを行いました。

前回同様、草刈り前日の6月7日にクマ活事前レクチャーを行いましたが、当日、人の背丈を超える草やぶを目の前にしてからクマについてのお話をしました。

6月8日の参加者40名ほどで、目の前に広がる斜面に取り掛かります。オオイタドリはサクサクと刈り取ることができるため、ものの30分で斜面が終了!
体力のある方は急な斜面やクマが通りそうな沢へ、あまり自信のない方は道路沿いに生えている草を刈っていきます。
スタートから2時間、目標とした場所の草刈りがほぼすべて終わり、達成感を味わいました!

草を刈りながら斜面を登ります。
かなり傾斜がありますが、足場に気を付けながら草を刈ります。
刈り込みばさみを手に、皆さん懸命に草を刈ります。

6月9日は、北こぶしリゾートのスタッフを中心に約25名が参加。ウトロ西、通称「カメ岩」こと、チャシコツ岬付近海側にあるオオイタドリのやぶを刈り取りました。
実はこのカメ岩のお尻の部分あたりに、電気柵の端っこがあります。道路や海など電気柵が張れない部分はクマの通り道になってしまうこともあり、特に草刈りが必要な場所なのです。急な斜面の中、夢中になりながら草を刈ると、終わるころには海まで見通すことができるようになりました。


また、海岸線に落ちているクマを誘引しそうなゴミの回収(ゴミ拾い)も行いました。

斜面を下った先にある海岸線は、ちょうどカメ岩の顔が見えるところ。足元には流木や海洋ごみが転がっています。
ゴミ袋を手に持ち、クマが興味を持ちそうなゴミを中心に拾います。

昨年は6月18日に草刈りを行いましたが、その当日夕方、その周辺でクマの駆除がありました。どうやら、草刈りをするときには、既にその草むらの中をクマが利用している状態でした。かなり草丈が延び生い茂ったタイミングだったため、クマ対策での草刈りとしては遅かったのかもしれません。そのため、今回はタイミングを見計らい6月上旬に草刈りを実施することとしました。
この草刈りがクマ対策としての効果を持つかどうかは今後次第だと思いますが、参加者が一致団結して楽しく汗を流し、クマの気持ちになりながら沢を上り街を見た経験は、きっとかけがえのないものだと思います。

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草刈り実施後は、感想を共有できるような時間を作り、ねぎらいあったり、活動中に思った疑問をスタッフに聞いたりと、お互いに交流することができました。
クマ活お決まりの集合写真は、いつも以上に素敵な笑顔です!

6月8日の集合写真
6月9日の集合写真

今回のクマ活・草刈りには知床サス旅の参加者を始め、多くの方にご参加いただきました。

クマ活(ロゴマークやテキストなど全般)をデザインした株式会社エイプリルの皆様にもご参加いただき、スタート時の想いとともに活動の広がりを感じながら草を刈りました。

お世話になっている皆様とも、ともにクマ活に取り組み汗を流しました。
LEXUS
Glider Associates
全日本空輸株式会社

知床ウトロ地域の皆様にもご参加いただきました。
一般社団法人 知床しゃり
ピッキオ知床
ピリカデリック
ラントコ
自然公園財団
林野庁
斜里町ウトロ支所様

今回のクマ活の運営サポートのボランティアに、酪農学園大学野生動物生態学研究室の学生の皆さんにご協力いただきました!クマ活講座で登場していただいた佐藤喜和教授の元、ヒグマについて調査・研究されている学生たち、当日は教授とともに知床まで来ていただき、草刈りに参加、運営をお手伝いいただきました。
また、クマ活終了後には北こぶし知床のネイチャーディスクを「ヒグマディスク」として、ヒグマの毛皮や頭骨を並べ、お越しになった方にクマのことをお話していただきました。
学生や他の参加者にとって、良い交流・経験の場となれればと思います。

クマ活は、知床の自然保護管理を担う公益財団法人知床財団の皆様にご協力を頂きながら実施しており、今回のクマ活もご協力いただきました。クマ活の参加費やクマ活グッズの売り上げなどの一部は知床財団に寄付し、知床のヒグマ対策及び保全活動などに充てらる予定です。

これからも、北こぶしリゾートはクマ活、知床をつづけていく活動に取り組んでいきます!


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