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ちょっとマニアックなわくわくコラム

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中央学術研究所のスタッフが、それぞれに興味のあることを発信します。 少し凝った内容となっています。 読むことで、あなたの世界が広がるかも・・・?! あなたの好きなことが引き出され…
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#立正佼成会

アーツ・アンド・クラフツとデザインウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまでを鑑賞して

学術研究室 北村友里江 暮らしの中に自然や手仕事の良さを取り入れ、人々に美しい暮らしをしてほしいと願い、19世紀にイギリスではじまった芸術運動が、アーツ・アンド・クラフツ運動です。この運動を始めたのが、芸術家・詩人・社会主義者でもあった、ウィリアム・モリス(1834年3月24日~1896年10月3日)でした。 19世紀にイギリスで産業革命が起きたことで、粗悪な品物が出回り、搾取される労働者の増加や環境問題などが起こっていた当時、モリスはそうした現状を打破しようと、手仕事に

お経をあげるのがちょっと楽しみになるエピソード

中央学術研究所 学術研究室 宇野 哲弘 <エピソード2> 観察の行に徹した 摩訶拘絺羅(まかくちら、Mahākoṭṭika,またはMahākoṭṭita) 序品の最初のページの舎利弗や目連と共に説法会座に連なる弟子として紹介される摩訶拘絺羅。この名前、確かにお経をのなかで見たことはあるが、一体この人はどういう人なのか?舎利弗から8番目に名前が出てはいるが、十大弟子には入っていません。 「気になる。」 ということで今回は摩訶拘絺羅について色々と考えてみます。 こころ

お経をあげるのがちょっと楽しみになる法華経エピソード

中央学術研究所 学術研究室 宇野 哲弘 <エピソード1> 親不孝な息子を持った母の嘆き          ~韋提希夫人(いだいけぶにん)~ 韋提希夫人は妙法蓮華経(通称:法華経)序品第一に聴聞衆(教えを聴く人という意味)として登場する「阿闍世王(あじゃせおう)」の母です。 お経は、いつ、どこで、誰に、どのような教えを説いたかが説かれますが、序品でも最初に、王舎城(おうしゃじょう:インドの地名)の霊鷲山で大比丘衆といわれる人々が一万二千人参集していました。そして代表的な比丘