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あたらしい世界

私が所属する会社も「リモートワークOK」となった。そもそも私の職種(コピーライター)はどこで仕事をしても良さそうなものなのだけど17年間ずっと朝から晩まで会社にいたなあと思いながら、試しに1日やってみた。

起きたら10時だった(え?)。昨日0時10分に寝たのに、ノンストップで10時間眠ってしまった。いそいそと起き、10時15分にPCの前に座る。やっぱ朝ごはん食べようと思いパンを焼いてコーヒーを入れる。パンはドラゴーネの全粒粉40%食パンを買っている。本当はココのハーブ食パンが好きなのだが、ハーブ食パンが売り切れる前には帰ってこられないから…「リモートワークだったら、パン買いに行けるんだ」と気づく。

頭が元気なうちに、さくさくと雑誌広告用のコピーライティングをやる。Slackで送る。ペコペコしている絵文字が届く。おひるは焼うどんにしよう、と思う。冷凍のうどん玉を解凍し、玉ねぎと豚肉と乾燥えのきでつくってお味噌汁(玉ねぎとわかめと乾燥えのき)とネーブルを一緒にテーブルに並べ、バイキング(テレビのプログラムではなくて、遊園地の乗り物)を見ながら食べる。ヨガでもやるかなとマットを広げる。20分ほど体を動かす。PCに戻る。企画を考える。slackに返信する。ブッダの7巻を読む。企画書のラフを作る。メールに返信する。ぼうっとする。クッキーを食べる。カスタードクリーム(作ったのだが失敗して大量に余る)を食べる。清水ミチコと三谷幸喜の「むかつく二人」を読む。

着替える。スーパーに行こうと思う。素晴らしいスーパー「地産マルシェ」が開いている時間なのが嬉しい。散財。駅前の市場も開いている!嬉しい。マグロのブツ切りを二人分買って食べ始めたら全部いってしまった。校正要請がきたパンフレットの原稿を見て、赤字を返信する。

気がついてしまった。会社に行かないで仕事をするって、仕事をいちばんにできるってことだ。なんてことだ。先月に続き、最近の私には次々に新しい世界がやってくる。幼稚園に入園してからずっと、毎日人と人と人の間で生きてきた。やることはあっても、まずは人の間で生き抜くことがメインだった。勉強よりも、好きな男の子が他の女の子にとられないよう全神経を集中する。仕事よりも、パワハラ被害を受けないよう逃げまくる。漫画を読みながらも、家族の不穏な空気を察知して笑わせに行く。勉強も仕事も趣味も、人の次だった。
仕事をいちばんにしていいとなると、困ったことになることに気がつく。いまの仕事、簡単すぎる。

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