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小規模事業者持続化補助金 公募要領を読んでみます【無料記事】

さて、皆様ご存知のとおり、

3月10日より、「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」の公募が始まりました。

そして3月13日に「IT導入補助金」の公募も始まりまして、中小企業生産性革命事業の1次公募が開始されたことになります。

今回は、新型コロナウイルス感染症の経済対策の意味合いもあり、小規模事業者持続化補助金とIT導入補助金は多少前倒しではじまったのかなと思います。

公募締め切りはいずれも3/31となっておりまして、迅速に。まずはコロナ対策といったところでしょうか。

小規模事業者持続化補助金をみていく

ものづくり補助金の公募要領から掘り下げていこうかとも思いましたが、今回は「小規模事業者持続化補助金」の公募要領を見ていこうと思います。

今回、この記事で使用するのは「商工会議所」地区分での公募要領です。

内容はほとんど変わりませんが、書類内容など、「商工会議所」地区分と「商工会」地区分での微妙な違いがありますので、申請の際は

① 事業所の管轄が「商工会」なのか「商工会議所」なのか

② それぞれの指導員の指示に従って

申請するようにご注意ください。

募集期間

令和2年度は第4回まで予定されております。

今回は

公募開始:    2020年 3月10日(火) <公募要領公表>
申請受付開始 : 2020 年 3 月 13 日(金)

第 1 回 受付 締切 2020 年 3 月 31 日(火) [締切日当日消印有効]

と、なっております。消印有効ということで、この公募要領では「郵送申請」を想定しておりますね。

また、以降は

第2回受付締切: 2020年 6月 5 日(金) [締切日当日消印有効]
第3回受付締切: 2020年10月 2日(金) [締切日当日消印有効]
第4回受付締切: 2021年 2月 5日(金) [締切日当日消印有効]

と、いうことです。

応募、申請の手続き

応募およびその後の申請手続きにおいては、従来の郵送方式のほか、政府が開発した統一的な補助金申請システム(名称:Jグランツ)による電子申請の利用が可能となります【現在準備中。おってご案内します】。

従来通り、郵送でも受け付けてくれるようです。

重要説明事項

公募要領に、まずはこれを読めといった感じで重要説明事項が掲載されております。

1、補助金適正化法に基づき実施される。

法律に基づいて実施されるという事は、不正は「違法」ですし、公表されるなど「罰則」もあります。

この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。

第一条第1項の目的です。

予算の適正な執行などの行政を縛ることと、当然、不正受給についての防止の観点もあります。

お時間があれば読んでみてください。

2、「補助金交付決定通知書」の受領後でないと補助対象となる経費支出等はできない。

つまり、「採択通知」や「採択結果公表」では、まだ補助金が交付されると決まったわけじゃない。ということです。

小規模事業者持続化補助金に限らず、これは補助金の常識ですので、これは覚えておいてください。

補助金は、一定の決められた期間内に事業を行い支出した経費を補助するものですので、その期間外に支出されたものに対しては補助金は下りません。

その「期間」の起算は「補助金決定通知書」の受領ということになります。

3、変更する際は「変更申請」を。

補助金は、その目的に応じた事業が行われるか、一定の審査が行われ、優秀なものが採択され、補助金が交付されます。

後から計画を変更するという事は、もしそれが内容の根幹にかかわる場合、無断でやっては審査の意味がなくなります。

補助金は原資は税金ですからしっかり補助者が内容を把握していないといけません。

どっかの展示会のように、実施してみたらちょっとヤバい政治的メッセージを込めた展示会でした。とかなってしまったら、そりゃ無断でやっちゃ補助金下りないよと。

これって、「表現の自由」とかそういう話じゃなくて単純に適正化法に違反していますし、国民の血税ですからね。

だまし討ちはそりゃ補助金交付停止になりますよ。と。

話がそれました。

止むをえない事情。例えば、原材料を入手する予定が急な相場の変更で価格が高騰し、申請時に予定していた原材料と違うものにする。などの変更が生じたら、承認を得るようにしましょうとか。そういう話です。

4、交付されるのは「実績報告」してから

採択されて、交付決定通知を受領したら自動的に補助金が下りるのではなく、しっかり経費精算を行い、また結果を報告しないと補助金は交付されません。

これにはしっかりとした期限が設けられていまして、その期間内に報告がないと交付されないという仕組みになっております。

5、実際に交付される金額は少なくなる可能性もある。

清算があって交付となりますので、支出に不正な点や間違った支払いや領収書や納品書など決められた書類の提出がないと、その経費は交付されませんということです。

どこの経理でも同じで、しっかりと清算書類がないとお金は戻ってきません。

それと同じです。

6、目的外使用や売ったり担保にする場合には制限がある

これはまず、引用しますね。

単価50 万円(税抜き)以上の 機械装置等 の 購入や、 自社ウェブサイトの外注による作成、 店舗改装による不動産 の 効用増加 等 は、「処分制限財産」に該当し、補助事業が完了し、補助金の支払を受けた後であっても、
一定の期間において処分(補助事業目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等)が制限されます。

・ 50万円以上の機械装置

・ 自社ウエブサイト

・ 店舗改装

と、例示されています。

これを処分する場合は、承認を得ないといけません。

補助金で買った機械の転売やそれを担保にすること

EC用に作った自社サイトをシステムごと他社に売っちゃう

改装した店舗を第三者に貸したりする。

一概にダメというわけでなくて、しっかりOKをもらってください。ということです。いろんな事情もあるので、そこはある程度相談には乗ってもらえると。

7、書類は5年間保存

実施検査が行われることもあるので、書類は5年間とっておいてください。

8、他の助成事業と同一事業は補助対象とならない

同じ事業を、一部小規模事業者持続化補助金に、一部ものづくり補助金で。といったようなことは当然、認められません。

9、個人情報の使用目的

ここは引用します。

日本商工会議所 に 提出され た個人情報は、 国および 独立行政法人中小企業基盤整備機構 と共有します。 また、以下の目的のために使用します。
①補助金事業の適正な執行のために必要な連絡
②経営 活動 状況 等を把握するための調査 (事業終了後の フォローアップ 調査含む)
③その他補助金事業の遂行に必要な活動

10、補助事業実施後の「事業効果および賃金引上げ等状況報告」の提出をしなければいけません

補助事業終了から1年後の状況について、交付規程第29条に定める「事業効果および賃金引上げ等状況報告」を、 補助事業実施後、 日本商工会議所が指定する期限までに必ず行うことが必要です。

フォローアップとかではなく、補助金の効果測定で国だったり機構が収集するもので、必ず出せと言っているので出す必要があります。

11、その他

要領にも書いていない細部や、難しいことは事務局の指示に従うように。

補助金の心得虎の巻として、上記は精読しておくとよいと思います。

事業の目的

要領はしばらく様式のサンプルが続きまして、26ページから事業についての事が書かれています。

まずは、事業の目的 が書かれています。

要約して書きますと

小規模事業者と要件を満たすNPO法人は、働き方改革など制度変更に対応していかなければいけないですよ。

だから、その為に企業がもうからなくっちゃいけないので、集客や生産性向上のための対策をするなら一部補助します。

その計画は持続的な経営をする計画を立てて、地道な販路開拓を行うものにしてくださいね。

あと、コロナ対策でそっちも支援しますよ。

それから賃上げする事業者と事業承継と過疎地域で事業する事業者は加点します。

こう言っています。

ものづくり補助金は賃上げは申請する「要件」ですが、こちらは「加点」ですね。

補助対象者

これは小規模事業者と一部NPOですが、具体的にどういう事業者かというと、

前提として

日本国内に所在すること です。

それから下記の要件です。

(1)小規模事業者であること

商業・サービス業(宿泊・娯楽以外) 常時使用する従業員 5人以下

宿泊業、娯楽業  常時使用する従業員 20人以下

製造業その他   常時使用する従業員 20人以下

ここでいう「常時使用する従業員」とは以下の人以外の人です。

(a). 会社役員( ただし、 従業員との兼務役員は 「常時使用する従業員」に含まれます。
(b).個人事業主本人 および同居の親族従業員

会社の経営陣は従業員数に含まれませんが、兼務役員は従業員です。

(c)(申請時点で)育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員
*法令や社内就業規則等に基づいて休業・休職措置が適用されている者
(d 以下の いずれかの条件に該当する 、パート タイム 労働者 等
d 1 日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて雇用される者、または季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用される者
(ただし、所定の期間を超えて引き続き雇用されている者は「常時使用する従業員」に含まれます。)
(d 2). 所定労働時間が同一の事業所に雇用される 「 通常の従業員(※ 1 」 の所定労働時間に比べて短い者

1 「通常の従業員」について
本事業における通常の従業員とは、社会通念に従い、事業所において通常の
従業員と判断される従業員とします。労働契約の期間の定めがない、長期雇用を前提とした待遇を受ける賃金体系である等、雇用形態、賃金体系などを総合的に勘案して判断することになります。
例えば、事業所にいわゆる正規型の従業員がいない場合、フルタイムの基幹
的な働き方をしている従業員がいれば、その従業員が通常の従業員となり、その従業員より所定労働時間が短い従業員(1日または1週間の労働時間および1か月の所定労働日数が、通常の従業員の4分の3以下である)はパートタイム労働者とします。
「(d 2 )パートタイム 労働者」に該当するのは、 「1日の労働時間および1か月の所定労働日数が4分の3以下」
か、 「1週間の労働時間および1か月の所定労働日数が4分の3以下」
の場合に限ります。

短時間のパートさんは含まれません。

日雇いさんや期間を定めて雇い入れられる人は含みません。

そして、人数的な要件は満たしていますが、対象とならない事業者さんもいます。

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対象となりうるもの で、個人事業主さんは「商工業者」であることが必要です。

つまり、お医者さんや、野菜作って出荷するだけの農家さん、歯医者さんは対象とはなりません。

農家さんでも、例えば、自分で作った野菜を使って何かレストランを開いているとかそちらの事業であればサービス業にあたるので対象となります。

それから、営利を目的としない、一社や公益財団法人、公益社団法人。

そして学校法人や宗教法人はダメです。

よくある話で、創業者に「小規模事業者持続化補助金」!なんていう人もいますが、これは少なくとも「創業後」に申請する補助金で、決して創業補助金でなければ、創業サポートのための補助金ではありません。

使い方によっては創業間もない事業者さんの販路開拓に使えますけれども、創業の為の費用を補助するものではないのでご留意ください。

(2)商工会か商工会議所地区内で事業を営んでいる者

事業を行っている場所が日本なら必ずどこかの商工会か会議所の管轄内ですので、大丈夫です。

別に会員でなくても問題ありません。

(3)本事業への応募の前提として、 持続的な経営に向けた 経営計画を策定していること。

申請書に、計画を記入します。

ただ、お金が欲しい。じゃ、ダメですよ。

申請書の書き方は、どうぞお問い合わせください。

(4)この「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」において、受付締切日の前10か月以内に、先行する受付締切回で採択・交付決定を受けて、補助事業を実施した(している)者でないこと(共同申請の参画事業者の場合も含みます)。

この項目は、今回、通年公募となるので、連発で何度も申請しちゃだめよって事です。

一回、交付を受けたら最低10か月は我慢してね。ということです。

(5)反社会的勢力でないこと

「別掲:反社会的勢力排除に関する誓約事項」の「記」以下のいずれにも該当しない者が要件です。

これはまた見ておいてもらえればと思います。

今回はここまで

少し長くなりました。

公募要領はできるだけ早い段階で読み合わせの記事をあげたかったのですが、少し遅くなってすみません。

次回は対象事業や加点についてなど書きます!

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