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小規模事業者持続化補助金 公募要領を読む 3回目【無料記事】

前回までのあらすじです。

では今回は、P53、審査の観点を見ていこうと思います。

基礎審査

さて、この基礎審査というのは、そもそも申請要件を満たしているかという事のチェックです。

①必要な 提出資料がすべて提出されていること
②「 2.補助対象者 」 P 2 6 3 0 ・ 「 3.補助対象事業 」 P 3 0 3 2 の要件に合致すること
③補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること

① は書類に不備がないかというチェックです。

② は申請における対象であるかどうかという前提のチェックです。

③ は、資金調達や協力体制、申請者の能力などそもそも事業が出来るのかのチェックです。

④ は「主体的」というのはどこの傀儡でもなく、かつ事業を外注や子会社に丸投げしていないことで、「その技術やノウハウを基に」というのは、強みを活かした取り組みであるかという事です。

つまり、自主的に強みを活かした取組ということを書かなければなりません。

これにひとつでも該当しない場合は失格となります。

加点審査

上記の4つを全て満たしたらいよいよ加点審査となります。

ここの加点の積み上げで「採択」「不採択」が決まります。

①自社の経営状況分析の妥当性
◇自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。

自社の製品・サービスについてしっかりと申請書に書く必要があります。

そのうえで、自社が持つ強みを明確に書く必要があります。

②経営方針・目標と今後のプランの適切性
◇経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
◇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

事業計画書として申請書は提出するので、そもそもその計画書がリアルなものかという必要があります。

そのうえで、「自社の強み」をいかしたものであるか。

そして、そこにニーズはあるのか。売れるのか。ということを客観的に証明する必要があります。

③補助事業計画の有効性
◇補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
◇地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
(共同申請の場合:補助事業計画が、全ての共同事業者における、それぞれの経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要か。)
◇補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
◇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。

まずは、実現可能性です。あまりにも非現実的な計画や、自社のノウハウや人員体制的に無理な計画はここでは加点されません。

ふわっとした計画でだいたいこんな感じでやります。という計画はダメです。具体的に。やるとするならこんな感じで計画していますときっちり示さなければなりません。

そして、その事業が「地道な販路開拓」を目指すものとして有効なものか。という点です。

今後、お客さんを増やしてゆきたいから特別な限定イベントを行って新規顧客の開拓を行いたい。そのために補助金で集客のためのチラシを作りたい。と簡単に言えばそんな感じで、今後の展開へのちゃんとした計画の一つとして行うという事を書く必要があります。

「創意工夫」は自社の強みを活かして、自社にしかできないようなプランがあればしっかりと書いておくとよいでしょう。普段やっている事でも、周りを見渡せば案外、独自性のあるものかもしれません。

「ITを有効に活用する」は、これは事業計画内に今後ITを導入して業務の効率化や集客のシステムを作るなど、国の政策にあった取り組みがあれば点数がもらえます。

④積算の透明・適切性
◇事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか。

お金の件に関して、不要な出費や、不明な計上はダメです。

*1 過去 3年間 に実施した全国 対象 の「小規模事業者持続化補助金」で採択を受けて補助事業を実施した事業者については、全体を通して、それぞれ実施回の事業実施結果を踏まえた補助事業計画を作れているか、過去の補助事業と比較し、明確に異なる新たな事業であるか、といった観点からも審査を行います。

過去に実施して交付された事業者には、過去の成果を踏まえているかという点からも審査がされます。当然ですが、まったく同じ内容の場合はおそらく採択されないでしょう。

*2 ( 新型コロナウイルス感染症による経営上の影響(従業員等の罹患による直接的な影響、感染症に起因した売上減少による間接的な影響)を受けながらも販路開拓等に取り組む事業者

これは前回のコロナ加点のことです。

( 次のいずれかの賃上げ関係の計画を有し、従業員に表明している事業者
ⅰ)補助事業完了後の1年間において、給与支給総額を1年で1.5%以上増加させる計画(被用者保険の適用拡大の対象となる小規模事業者が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、1年で1%以上増加させる計画)
ⅱ)補助事業完了後の1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域ⅱ)補助事業完了後の1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする計画

これも前回お話した賃上げによる加点です。

( 3)事業承継の円滑化に資する取組を重点支援する観点から、代表者が満 60 歳以上の事業者であ って、かつ、後継者候補が中心となって補助事業を実施する事業者

事業承継加点ですね

(4) 既に、生産性の向上(経営力強化)の取組を実際に行っている事業者を重点支援する観点から、基準日までに「経営力向上計画」の認定を受けている事業者

既に経営力向上計画を認定されている事業者は加点となります。この申請の為に申請しても今回は昨年12月までの認定が要件ですので、予め認定されている事業者さんが加点となります。

(5) 経済産業省が選定する地域未来 牽引企業 (ただし、地域未来牽引企業としての「目標」を策定していること) 、または地 域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けている事業者

地域未来牽引企業加点です。前回をご覧ください。

(6) 過疎地域という極めて厳しい経営環境の中で販路開拓 等 に取り組む事業者 を重点支援する観点から、「過疎地域自立促進特別措置法」に定める過疎地域に所在し、地域経済の発展につながる取り組みを行う事業者

過疎地域加点ですが、ちょっと書きます。

過疎地域の定義なんですが、これは定められていまして、

「過疎地域に所在する事業者」として、採択審査時の政策加点となる地域は、「過疎地域自立促進特別措置法」に基づき、平成 29 年 2017 年) 4月1日現在、「過疎地域 」に該当する以下の地域です。

と、既に過疎地域と該当されている地域ということです。

どこで見れるかというと、「過疎地域市町村等一覧(平成 29 年4月1日)」

こちらをご覧ください。

前回まであった「買物弱者への取組」に関しては、なくなっています。

事業実施期間

第1回受付締切分
事業実施期間:交付決定日から実施期限(202 1 年1月31日( 日 ))まで
補助事業実績報告書提出期限:2021年 2 月10日( 水)
第2回受付締切分
事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年3月31日(水))まで
補助事業実績報告書提出期限:2021年4月10日(土)
第3回受付締切分
事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年7月3 1日(土))まで
補助事業実績報告書提出期限:2021年8月10日(火)
第4回受付締切分
事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年11月30日(火))まで
補助事業実績報告書提出期限:2021年12月10日( 金

今回、第一回は締め切りから10か月、来年の1/31までが期限となっておりまして、実績報告は2/10までに提出する必要があります。

その他

補助事業者の義務に関しては各自、読んでおいてください。

その他の項目を見ていこうと思います。

① 補助 事業を実施することにより産業財産権が発生した場合は、その権利は補助事業者に帰属します。
② 補助事業の進捗状況確認のため、 小規模事業者持続化補助金事務局等が 実地 検査に入ることがあります。また、 補助事業完了 後、補助金使用経費に か かる総勘定元帳等の検査に入ることがあります。

① 権利発生した場合、補助金で作ったものであっても、その権利は補助事業者のものです。

② 検査があるかもよ。っていうことです。適切に運用しましょう。

③ 原則として、 補助事業完了 後の補助金額確定にあたり、補助対象物件や帳簿類の確認ができない場合については、当該物件等に係る金額は補助対象外となります。

証拠書類やその物件は確実に管理しておきましょう。

④ 補助事業完了 後、会計検査院が 実地 検査に入ることがあります。 この検査により補助金の返還命令等の指示がなされた場合には、これに従わなければなりません。

完了後にも会計検査院から検査があるかもよ。と。

これで不正受給があった場合、返金など措置命令が下される場合もあります。

不正ダメ絶対

⑤ 補助事業者が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)」等に違反する行為等(例:他の用途への無断流用、虚偽報告など)をした場合には、補助金の交付決定の取消・返還命令(加算金の徴収を含む)、不正の内容の公表等を行うことがあります。
また、法令に違反していることが明らかな場合、当該法令による罰則のほか、採択取消、交付決定取消や交付済み補助金の全額返還(加算金付き)等の処分を受ける可能性があります。

不正ダメ絶対です。公表されて罰則もつく場合があります。

⑥ 本補助金は、所得税法第 42 条(国庫補助金等の総収入金額不算入) また は法人税法第 42 条(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)に規定する国庫補助金等に該当します。
したがって、当該補助金を補助金の交付の目的に適合した固定資産の取得
また は改良に充てた場合には、所得税法第 42 条 また は法人税法第 42 条の規定を適用することができます。

この補助金の税金の取扱いです。

こちら総収入に不算入など規定が適用できます。こちらに関しては税理士さんまたは商工会議所(商工会)にお問い合わせくださり、適切な処理をなさってください。

⑦ 本補助金の採択事業者等に対し、補助金を活用して取り組む事業やその効果等を把握するためのアンケート調査 等 を実施することがあります( 補助事業完了 後のフォローアップ調査含む)ので、その際にはご協力 をお願いいたします。
なお、アンケートに際してご提供いただいた情報は、統計処理を行い、個人を特定できない形で公表する可能性があります。
⑧ 自社内で 調達を行う場合には、調達価格に含まれる利益を排除しなければなりません。
当該調達品の製造原価を構成する要素であっても、持続化補助金の 補助 対象経費 に該当しな いものは補助対象経費として計上できません。 共同申請において共同事業者間で必要な物品・サービスを調達した場合も 自社内で調達した場合と 同様 とみなされ、当該取引は対象外となります。

原材料の調達などそれが自社内でできる場合はその分の利益は経費から排除する必要があります。

⑨ 交付決定時に、補助事業実施に係る注意点等を 記載した「補助事業の手引き」を事務局から配布いたします。補助事業実施前に「補助事業の手引き」を 必ず 確認のうえ、不明点は事務局にお問合せください。

交付決定されると、手引きがもらえます。

こちらは精読されることをお勧めします。

参考資料

それ以降のページ旅費経費の取り扱いや、収益納付についてなど参考になる情報が記載されていますので、ご覧ください。

消費税免税業者の取り扱いやそういった情報も参照いただき、特に「提出書類一覧」はしっかりプリントして手元に置いておくとよいと思います。

チェックリストになっていますしね。

最後に

一回で終わるはずが、意外と3回にもなってしまいまして、長々と失礼しました。

公募要領に書いてあることをしっかりと守り、かつ示された要件を満たすように、申請書を記入し、書類を整え応募しましょう。

実際の書き方など、随時更新できればとも思います。

ものづくり補助金の公募要綱も読んでいこうかとも思います。


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