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喫茶店をつくること。

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中崎町駅から徒歩3分、ビルの階段を上がった2階。古い扉を開けると、柔らかな光が差し込む喫茶空間が広がる。

初めて物件に出会った時に、ここは喫茶店になるべき場所だなと思った。

壁の凹みや、無骨な天井、パイプの跡。作業場として使われていたという。

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古い建物だけど、光が気持ちよく差し込むこの空間はいわゆるアンティーク純喫茶のような空間でなく、新しいものと古いものを混在させてコンセプトは「OLD NEW」としようと思った。

そもそもなぜこの時期に実店舗を作るかという話をしておきたい。

このコロナで売り上げは激減、飲食店は、閉店、もしくは補助金をもらえるところは縮小しているところが大半だろう。もちろん私が経営する全店舗もれなく売上は下がっている。このコロナ禍で老舗飲食店や喫茶店、文化財級の建物がどれほど取り壊されてきたか、街の風景が一変しておわかりだと思うが、ピークの時は毎週のように「老舗喫茶店の○○が閉店」などの情報が入ってきた。

さらに、追い打ちをかけるように政府は「NO外食」をメディアと一体になって発信し続けたのである。コロナへの理解やワクチンもない中、抑制になるならと仕方ないと思い要請に従うお店がほとんどだ。うちも全店舗要請以上の対策を強め、時間制と間引きをしてすべてのガイドラインに従って営業をしている。

一度考えてみてほしいのは今後、さあコロナが収まってきました、それでは外食を楽しんでください。と言われてあなたの行きつけだったお店はそこにあるだろうか?

私たちは、喫茶文化を拡張し、地域や生産者との交差点となって豊かな体験ができる文化的な場所と位置付けて実店舗を作ってきた。

こんな時期だからこそ、行ってみたいな、楽しそうだなと思ってもらえる場所を作るアクションを起こしていきたい。「やっぱり喫茶っていいな、コーヒーっていいな」と感じてもらえたらこんな嬉しいことはない。

新店舗は8月26日、大阪中崎町(大阪市北区中崎西1丁目8番30号2F)にオープン。

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オムライスに、ナポリタン、パンケーキやクリームソーダ、ナチュラルドーナツ、そして焙煎所直送のクリーミーなエスプレッソ。

なんだか懐かしくて落ち着くけど、新しくてワクワクする。
「古」と「新」の共存と、新しい喫茶の形を届けていきたい。



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