3. 話せる雰囲気づくり
前回紹介した『物理的な工夫』と重なる部分もあるかもしれませんが、参加者が「話せそう」「話したい」と思えるような内面的なアプローチについてもいくつか紹介します
くどいようですが・・・
あくまでもボクの実践例ですので、これが唯一の正解というわけではありません
「そんな方法もあるかもねー」と思いながら読んでいただけるとありがたいです
① お菓子とジュース
以前、とある講座に講師として招かれたことがありました
たまたまだったのですが、その講座の参加者は女性ばかりでした
会場の準備をしているときに、主催者の方(この方も女性)が一番張り切っていたのが、お菓子とジュースの準備でした
『女性には絶対お菓子がいるの』という言葉に、なぜだかものすごい説得力を感じたのを今でも覚えています
それ以来、会議やミーティング(特に女性や女子生徒がいる場合)では、ちょっとつまめるお菓子や、ジュースなどを準備するようにしています
お腹が満たされると、心もオープンになる・・・ような気がします
② 座席の配置
これはまた別の勉強会で教わったことです
うまくいくのはうまくいくシステムになっていて、うまくいかないのはうまくいかないシステムになってしまっていることが多いという話でした
全員が前を向くような座席で、お互いの意見を交わし、受け止め合えるような会議やミーティングができるでしょうか?
上司が目の前にズラーっと並んでいる状態で、安心して自分の意見を言えるでしょうか?
また、参加者の座席だけではなく、ファシリテーターの位置も重要だと思います
会議やミーティングの内容にもよりますが、ボクはやっぱり参加者同士の対話を大切にしたいので、4人がけのテーブル席をいくつか作ったり、全員がお互いの顔を見られるように椅子を円形に並べたりしながら、ファシリテーターとしては前方斜め前あたりにいることが多いです
位置的にも、存在感としても、ファシリテーターが中心になってしまわないように意識しています
③ 『聴き方』のレクチャー
自分の意見をなかなか言えない会議やミーティングが多い中、自分の意見をどんどん言えるようになったという話を聞きました
ファシリテーターとして、その方が実践されたのは話す方ではなく、聴く方へのアプローチだったそうです
相手の話を笑顔で聴く、うなずきながら聴く、相槌を打ちながら聴くなどなど、聴く方の聴き方が変わっただけで、どんどん話せるようになってきたそうです
話し方や伝え方は意識しますが、聴き方はあまり意識していません
相手からすると、もしかしたら話しにくい聴き方をしてしまっている(身についてしまっている)こともあるかもしれません
会議やミーティングの前に少しそんなことに触れておくだけで、参加者同士の対話が変わってきます
④ 3つのルール
これもよく活用しているのですが、会議やミーティングのはじめに、その時間内だけの3つのルールを説明し、その後も確認できるようにホワイトボードに書き残しておきます
その3つのルールは以下のとおりです
1. 答えは全て正解
2. 「分からない」と言ってもOK
3. 他の人の意見も「そうだよね」と一旦受け止める
安心して自分の意見を言えるという意味では、この3つのルールを先に示しておくというのはとても大切だなと実感しているし、このルールをいつでも見られるように書き残しておくというのもとても効果があると思います
「正しい答えしか言ってはいけない」「分からないことはいけないこと」「他の人と違う意見を言ってはいけない」と思い込んでいる人がとても多いからこそ、この3つのルールを示した上でファシリテートしていくことが重要なんだと思います
⑤ 話す練習、聴く練習
ここまでの準備や説明、紹介をした上で、簡単に会話・対話の練習を入れることもあります
「昨日の晩、何を食べましたか?」
「最近、嬉しかったことは何ですか?」
「どんなときに幸せを感じますか?」
「今一番やってみたいことは何ですか?」
など、ボクが簡単な質問をし、それについて2人組で伝え合ってもらいます
聴き方や3つのルールを意識して伝え合う練習をすることで、その後の会議やミーティングがスムーズに進んでいきます
それでは今日のしつもんです
『どんな雰囲気だと話しやすいですか?』
「もっと意見を言おう」「どんどんアイデアを出そう」と言っても、意見やアイデアはなかなか出ないもの
思わず言っちゃう、言いたくなる雰囲気を作ることで、実際に意見を交わす時間自体は短くても実りある会議やミーティングになります
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