箱根駅伝考察セーフティリード
出場最短(除く黎明期)での初優勝を目前で逃した創価大学。9区を終えたところで2位駒澤大学に3分19秒の差がありました。「セーフティリード」なのかなと多くの人が思ったとこでしょう。
この日(2021/1/3)は前日の往路を制した創価大が芦ノ湖を出てからずっと先頭を走り続けていて、興味の中心は1)「青山学院」がどこまで浮上するのか、3位もあるのじゃないか?2)次回予選会免除の10位以内(シード権)争い、といったところになってしまうのか…という感じでした。
青学の復路優勝は見事でしたが、さすがに3位までとはいかず、序盤早稲田ピンチの匂いもあった10位争いも、明治8区の大保の区間賞で一瞬、混戦の予感も湧いたのですが10位までのところで区切りができてしまい、11位明治はシードが見えるところまで詰めながらも「シード権争い」にもちこむことはできませんでした。結局、「激アツ」だったのは優勝争い、ラストの10分間の駒澤・石川劇場となりました。200キロ以上争って最後の2キロまで優勝の行方は分からなかったのです。
大逆転には条件が必要です。ゴルフの場合、最終日8打差、9打差の逆転となれば大逆転の部類です。首位発進の選手が4オーバーで、片方が5アンダーなら逆転します。しかし、この場合、最終日スタート時に間の順位にいたプレーヤーに4アンダーなり、3アンダーで回ることもあるのでなかなか5アンダーで回ったとしても優勝までは難しい。首位がパープレーか、1オーバーくらいでも逆転するスコアを叩きだす必要があります。9アンダー(63)、10アンダー(62)といったスコアで回る選手が出てきた場合、警戒は必要です。
今回の箱根は「間の順位のプレーヤー」がいなかった点も要因にはありますが、どのくらいまで逆転があるのか…と思い、各区間のタイムのばらつきを調べてみました。所属チームや選手など関係なく区間トップと区間10位、区間20位の差を調べてみました。
第97回箱根駅伝 区間タイム幅↓
区間 区間賞と区間10位との差 区間賞と区間20位との差
1区 0分31秒 2分04秒
2区 2分16秒 5分41秒( 5分49秒関東学連)
3区 2分20秒 4分37秒
4区 0分52秒 2分13秒
5区 2分04秒 7分23秒(7分46秒関東学連、立ち止まった青学4分17秒)
6区 1分30秒 (19位3分33秒)5分35秒
7区 1分18秒 3分57秒
8区 1分33秒 3分59秒
9区 2分12秒 (19位4分57)6分13秒
10区 2分05秒 4分11秒
区間賞の走りをすれば相手が区間20位となる場合2分、状況によっては4分の逆転もありうることがわかります。現に今回1つの区間で3分19秒を逆転してさらに差をつけました。優勝を争うチームだと区間最下位はもちろん、区間二桁というのもなかなかないこととは思いますが、ブレーキとまでは言わなくとも場合によっては1分半から2分の差は逆転可能なタイム差とみるべきでしょう。1分半はゴルフなら4打差逆転、今回の3分19秒は9打差逆転くらいなのかなと思います。
今回の区間別では1区と4区が差がつかない区間となりました。1区はともかく4区は意外でした。たまたま今年の顔ぶれが(高いレベルで)差のないメンバーが揃っていたのかもしれません。
【画像に写っているガイドブック】
ぴあMOOK「あまりに細かすぎる駅伝ガイド! 2021」
報知グラフ 2021年1月増刊号「箱根駅伝2021完全ガイド」
文藝春秋発行「Number 1017」ナンバー1月7日号
月刊陸上競技1月号増刊「箱根駅伝公式ガイドブック2021」
サンデー毎日増刊「ニューイヤー駅伝2021inぐんま」
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