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「ちゃんとする」の呪いを超えていくために

一週間くらい前になりますが、ピアレスゆかりさんと須藤美香さんがやっているポッドキャスト「はみだし系ライフの歩き方 ep13」を聞きました。

パトレオン(https://www.patreon.com/home)というnoteの外国版のようなサービスで500円くらいのサポートをさせていただいているご縁で質問をしてみたのがきっかけです。そこで答えていただいたこと、そこから実験をしてみた感じたことなどをまとめてみたいと思います。

目次
◯今回自分が質問したこと
◯聞いてて感じたポイント
◯そこから実験してみて思ったこと
◯「ちゃんとする」の呪いを超えていけ

◯今回自分が質問したこと(原文そのまま)

【質問】
・外国で「ちゃんとしろ」「しっかりしなさい」って言う言葉はありますか?
・外国でもこの言葉に苦しんでいる人はいますか?
・どうやったらこの言葉の呪いから逃げられると思いますか?

【質問の背景】
先日、友人から「君はもっと手を抜け!適当にやりなさい。ちゃんとしようとか、しっかりしようとすると病むぞ!」みたいなお叱りをもらいました。なので、それ以来「ちゃんとする」「しっかりする」ということについていろいろ考えたり、調べたりしています。

思えば、物心ついたときから「ちゃんとしないと」「しっかりしなきゃ」と思ってきたし、周りの大人からも「ちゃんとしなさい」「しっかりしなさい」ってガミガミ言われてきたから、なにも疑わずに一生懸命そうしてきました。それでうまく行った部分もあります。

だけど、同時に自分を苦しめていた原因でもあったし、多くの人もまた苦しんでいるのかなって感じます。この前の放送でも、「弱さ」をさらけ出すことがテーマの一つでしたが、「ちゃんとしなきゃ」っていう【呪い】が弱さをさらけ出すことを阻んでいるのかなとも思いました。

いろいろ調べたのですが、

・そういえば英語で「ちゃんとする」とかって表現あまり聞かないなあ
・英語のTwitterやFacebookも読んでるけど、「ちゃんとしなきゃ」って言ってる人いないなあ
・日本くらいでしか、「ちゃんとしなきゃ」って聞かないなあ

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もう少し補足します。

□友人から特に指摘されたのは、本当に多岐にわたる「ちゃんとしなきゃ!」という自分の傾向でした。

・家計簿は一円単位で「ちゃんと」つけようと頑張っていた。その結果、レシートとExcelに毎日にらめっこしていた
・ご飯もできるだけ「ちゃんと」自炊して、栄養もしっかり取れるように頑張っていた。その結果、食事に必死になりすぎて自炊にかなりの時間を取られた。
・運動も「ちゃんとしよう」として頑張っていた。その結果、運動そのものに熱心になりすぎて体調を崩した。
・もらった書類(行政からとか病院とか仕事の書類とか学校のプリントとか)を全部「ちゃんと」スキャンした上でファイリングをしていた。結果、整理しきれない書類に埋もれていた。
・「ちゃんとした大学にいかなきゃ!」と焦った結果、生命を削りながら勉強して大学に入った。
・「ちゃんとした企業にいかなきゃ!」と就活を焦った結果、生命を削って体調を崩した。
etc...

でした。

これは、やることで褒められることだったし、むしろ好ましいことではあるんですが、一方でかなり疲弊しきっていたのも事実でした。必死で「ちゃんと」しようとしすぎて寝る時間も確保できなかった。でもなんとかごまかしごまかしやっていて、結果不機嫌を振りまいていたという負のループがありました。

さらに、「ちゃんとしなきゃ!」という理想と、「どんなに頑張ってもちゃんとやりきることができない」という現実の間に苦しんでいたことも思い出しました。この間に挟まっていたから、「ちゃんとしていない自分、なんてダメなんだ・・・」ってなっていたし、それを誰かに話すのも恥ずかしく感じていたと思います。

そして、もう誰も「ちゃんとしなさい!」って言わなくなったのに、いつの間にか自分で自分に「ちゃんとしなきゃ!」って自縄自縛状態になっていたんだなということも気づきました。


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◯聞いてて感じたポイント

放送を聞いてて、感じたポイントがいくつかあるので、書いてみます。

□「判断を受け手に委ねる日本語」
思わずハッとしたのがこの箇所。日本語は伝えることはするけど、その意味をジャッジして行動することは受け手に完全に委ねられているというのは確かにそのとおり。「ちゃんとしなさい!」っていう言葉も、結局言われた受け手の側が、意味の判断をした上で、行動をしないといけないというのが自分が困惑したポイントの一つかもしれません。

そして、その判断をもとに行動をしても、伝え手の意図にあっていなかったから、怒らせてしまうのだから、かなりやっかいだったなあと言うのも思い出しました。

そして、それは伝え手が判断して具体的に伝える英語は真逆の発想なんだっていうことも。

□恐れベースと他人軸
「ちゃんとしなさい」という言葉は、「ちゃんとしないと◯◯になっちゃうよ!」という恐れとワンセットという点。そしてそれは、他人に軸をおいていることにも関係する、という点に腹落ちした感があります。

「ちゃんとした大学にいかなきゃ将来困っちゃうから」
「ちゃんと頑張らないとあとで大変なことになっちゃうから」

そんなネガティブなことを先に考えてばかりで、ポジティブにごきげんになることを先に考えてもいなかったと反省もしました。

そしてそれは、他人が言っていることで、自分がどうであるかにも関係ない、ということ。自分軸とはやっぱり真逆なんだという点。


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◯そこから実験してみて思ったこと

上記みたいな点を聞いて感じてから、放送後にいろいろ実験をしてみました。

□「家計簿をちゃんとしっかりつけなきゃ!」
→厳密にやるのを辞めました。手を抜いて、ざっくりした収入と支出だけわかればいいやっていうやり方に変えました。

□「ちゃんと自炊しなきゃ!」
→自炊をとりあえずやめて外食やお惣菜、レトルトをあえて取り入れて「ちゃんとした自炊」を減らしました。

□「ちゃんと運動しなきゃ!」
→手を抜くようにして、意識して休むようにしました。

などなど、手を抜いたことをいくつかやってみました。


結果・・・

・1円単位でやらなくても家計はあんまり困らなかったし、誰にも迷惑かけ無かった。むしろレシートとにらめっこする時間が減って、気が楽になった。
・自炊をしなくても、栄養的にはあんまり困らなかったし、誰も文句言わなかった。むしろ、たまにやる料理が楽しくなった。
・運動を「ちゃんとしなきゃ」って思わなくなった分、楽しさが増えた。やっぱり怒られなかった。

ということに。案外「ちゃんとしなきゃ」を辞めても大丈夫だったことに、何より自分が驚いています。

まだまだ手を抜ける領域、「ちゃんとしなきゃ!」を辞められる領域というのはありそうな気もしてますが、それはこれから仮説と検証を繰り返すことで、手抜きの仕方を学んでいければいいなと思います。

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◯「ちゃんとする」の呪いを超えていけ

今回、聞き方が下手っぴで、ゆかりさんと美香さんにはご迷惑をかけてしましましたが、おかげで自分の中の疑問に一つ決着をつけられた気がします。

他人軸で恐れをベースに考えなきゃいけなかった「ちゃんとしなきゃ」という言葉。それは、今の自分は手放したほうがいいんだろうということに気づけたのが大きな収穫でした。

そんな呪いを超えていくために、強迫的に感じていた「ちゃんとする」を一回疑い、検証する。そして自分軸で自分がご機嫌であることを優先することが打開の道になりそうです。まだまだ呪いを超えていく取り組みははじまったばかりですが、前より少し気が楽になれた気がします。

ゆかりさん、美香さん、ありがとうございました!これからも引き続き応援しています!

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P.S
余談ですが、こういう形で少額でもお金を払ってポッドキャスト番組を聞くのが、はじめてでした。もちろん、質問を送ってパーソナリティの方に答えてもらうのは、ラジオでもできるのですが・・・なんというか、知っている方が、自分のサポートにレスポンスしてくれて、番組を一つ作ってくれるというのは、なんとも言えない嬉しさがあった気がします。

なにより、無料で出回っているメディアの記事より、「手触り」とか「実感」をもって伝わってくるものがあるし、より親近感がわきました。

noteにしても、パトレオンにしても、広告ありきのものじゃない、そんなメディアが増え始めてて、いいなあ~と感じます。貧乏だから、すべてにお金を払えるわけじゃないけど、「好きだなあ~」「これいいなあ~」って感じるものにはお金を払って応援できるように、頑張りたいです。

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なんていう話もけんすうさんが2014年に予言していたのが、またびっくり!