読書記録:鉄道旅行 週末だけでこんなに生ける!

所澤秀樹:鉄道旅行週末だけでこんなに生ける!(光文社新書,2013)

今回は,普段とはちょっと異なり趣味のような内容の本を読みました.

この本では,会社員が長期休暇をとらずに,土日や出張のついでなどに鉄道旅をする方法?について紹介されていた.この本を読んで感じたのは,長期休暇がなくても工夫次第で日本各地を回ることができること,日本の鉄道の変化についてである.

日本各地を鉄道旅行する

本書では,大阪出張から東京に戻る際に新幹線ではなく,東海道線経由で帰り,東京圏と関西圏の境界について調べてみたりと非日常的な体験をする工程について多数紹介されているが,目的地まで最速で移動しないという選択は個人的には昔から少しはやっていることである.それは,毎回目的地まで最速で移動するよりも在来線を使ってみたり,途中で寄り道をする方が本書でもあるように非日常的な体験ができるため面白いと感じるからである.また,在来線など最速でない移動では,移動中に通過する地域の様子を知ることができるという点も大きな魅力であると感じる.
そして,本書であった事例のように,うどんのつゆについて関西風と関東風の境界がどこにあるのかを探してみるという発想が興味深いと感じた.大阪から東京に戻るという一見すると面白みもない移動から,うどんのつゆの境界を探すということを思いつく発想は,与えられて条件下で最大限の成果を出すという社会人に求められるスキルの一部であるのではないかと感じた.
そして,日本の様々な地域のことを知るということも日本人として重要なことであると感じた.

せっかく東海道本線で旅をするのだから,ここはひとつどうだろう,うどんだし・そばつゆの境目はどこなのかを,自ら検証されてみては.もっとも,この結果を学会に論文として提出するわけではないので,ゲーム感覚でこの店はどちらなのか,と気楽に入って食べてみればいいと思う.

pp.22

日本の鉄道の変化

この本を読んで感じた点の2つ目は日本の鉄道の変化である.本書は2013年出版であり2013年3月の時刻表をベースに旅程が記載されている.つまり約10年前は可能で,今は難しい部分も存在する.特に変化が大きな点は寝台列車だと感じた.
本書では,寝台列車を利用した行程がいくつか紹介されていたが,現在も運行されているのは,「サンライズ出雲」,「サンライズ瀬戸」のみとなっている.新幹線や飛行機の利用者が増えたことで,夜行列車の利用者が減少し,廃止に追い込まれていると考えられるが,これには日本人の時間的な余裕がなくなっていることも影響があると感じた.
例えば,東京から北海道まで行くには飛行機で1時間30分程度であるが,寝台特急では16時間程度かかっていた.たまには16時間かけてゆっくり北海道に行っても良いものだが,現在の日本では移動時間を最小限に抑え込むことが重要視されている(様な気がする)ため,16時間かけて移動する理由を求められる気がする.しかし,16時間かけてゆっくりと北海道まで移動する方が,リフレッシュもでき,生活の質が高まるような気がする.そういう遊び心のあることをするのが難しい社会になっているが,そのような遊び心をもって豊かな生活を送ってみたいと感じた.

豊かな生活と移動

本書で紹介されていた様なちょっとした遠回りや寄り道,週末での旅行といった日常生活の中でもちょっとした工夫で非日常を体験することができるということについて学んだ.普段の生活を振り返ってみると会社からの帰宅時に1駅分歩いたり,出張の際に寄り道したりしていることを思い出したが,そういった遊び心を持った移動をすることによって,生活は豊かになっていくのかもしれないと感じました.

今回は普段と内容が異なり趣味に近いような軽い感じで,あまり量も書いていませんが,このあたりで終えようと思います.日常生活で遊び心を持つ余裕を常に持っていたいと感じました.

#読書記録 #鉄道旅行 #移動

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