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▩ 映画『すずめの戸締まり』を見た

〇 STORY

九州の静かな町で生活している17歳の岩戸鈴芽は、”扉”を探しているという青年、宗像草太に出会う。草太の後を追って山中の廃虚にたどり着いた鈴芽は、そこにあった古い扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で扉が開き始めるが、それらの扉は向こう側から災いをもたらすのだという。鈴芽は、災いの元となる扉を閉めるために旅立つ。

キャスト

(声の出演)、松村北斗、原菜乃華、深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜、松本白鸚

スタッフ

原作・脚本・監督:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
音楽:RADWIMPS、陣内一真

上映時間120分
〇 わたしはこのように見た 〇
やはり、期待を裏切らない新海誠作品だった。
まさに、監督が云う「観客の何かを変えてしまう力が映画にあるのなら、美しいことや正しいことにその力を使いたい」という新海ワールド全開の作品だ。
「君の名は。」「天気の子」そして今作。一貫して描かれる神話の世界。大いなる自然のなかで人は生きている。天岩戸を開かせるきっかけをつくったのは「神楽」を舞う芸能の神。そのアクションを行う主人公がアメノウズメだ。地を鎮め、扉を開けて開放するウズメから主人公「鈴芽・スズメ」が生まれた。
とっても素晴らしい映画だ。なぜか、母と別れた幼き鈴芽に出会うスズメ。ここまで見ていて、このシーンで、一気に涙が溢れた。こんなに感性を震わせてくれた映画はかつてなかった。
それでいて、各世代の女性の生き方、コミカルな生活感溢れるシーン、そしてほんのりした恋。エンターティメントとしての要素ももりこんだとても贅沢な作品だ。120分間、飽きさせない大作なんぞそうあるものではない。
ベースになっているのは東日本大震災で津波にさらわれた母と残された少女・スズメ、神話の世界を借りながら自然と人間ありようを描く。流れる曲はどれも素晴らしい。
「おはよう」「いってきます」「いってらっしゃい」なにげない日常の中にすべてがあるなんてすばらしすぎるじゃないか。
おそらく、だれもがはっと気づく、何かを感じる映画だと思う。

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