あぶりだし曲詰「千」の解説

お久しぶりです。
ものぐさな性格で物書きは長続きせず、前回の更新から半年も経ってしまいました。

今回はあぶりだし曲詰「千」の解説記事です。続編として「千」の創作過程を交えながらの曲詰の創作講座をする予定ですので、こまめに記事をあげられればと思います。

それでは作品の解説に移ります。

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手順を並べたい方は下記リンクから(詰将棋メーカーへのログインが必要です)。
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詰将棋メーカー 2020年9月5日
作意手順:65金、同香、43歩成、44香合、67歩、同玉、68銀、66玉、
77金、同金、同銀、56玉、55金、57玉、46銀、同香、66銀、同香、
87龍、67銀合、56金、同玉、58飛、同銀生、74馬、65桂合
55角成、同玉、57龍、同桂生、64銀生、同桂、56歩、同桂、64馬迄35手詰。

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35手目64馬迄 詰上がり図

本作は将棋系V真澤千星さんの2周年を記念したファン詰です。お名前から一文字取り「千」を創りました。
手順の主張は、3回の限定合(香、銀、桂)を全て動かしたこと、その内2回は不成であることです。また、効きがないところに打った13手目55金をその後捨てる構成、終盤の畳み掛けるような大駒捨ては、解後感アップに繋がっていると思います。

変化手順

2手目同玉は、74馬、同玉、64銀成、同桂、84龍、65玉、64龍、76玉、77銀、同金、同金、同玉、75龍以下早詰。

4手目44歩合は、67歩、同玉、68銀、66玉、77金、同金、同銀、56玉、47金以下早詰。
☆44香合をすることで46、47に効きを作ることができます。
もし44桂合が出来れば、同角成、同桂で逆王手に逆王手で返す方法がなく不詰ですが、残念ながら桂は盤上に全て置いてあり品切れです。56桂の配置は、初形から77銀、57玉、46銀、同桂、56金、同玉、52龍以下の余詰を防ぐと共に、桂を品切れにさせる役割があります。

6手目56玉は、45銀、同香、55角成、57玉(同玉は、58飛、56合、64銀生、同桂、44銀迄)、46銀、同香、同馬、同桂、52龍、56桂合、69桂、67玉、78金、66玉、67香以下早詰。

16手目同桂は、56金、同玉、52龍、55歩合、同龍、同玉、44角成以下早詰。
☆54桂が動く変化はほとんどが56金、同玉、52龍以下捕まります。

20手目67香成は、同龍、同玉、69香、57玉、56金、同玉、58飛、57合、74馬以下早詰。

22手目58同銀成は、74馬、
①65歩合、57歩、同成銀、55角成、同玉、57龍、56合、64銀打、同桂、同馬迄同手数駒余り。
②65金合、同馬、同玉、55金、75玉、42角成、74玉、84龍、63玉、53と迄同手数駒余り。

30手目57同桂成は、56歩、同成桂、64銀、同桂、同馬迄同手数駒余り。

紛れ手順

3手目68飛は、67歩合、43歩成、44香合で逃れ。

7手目78金は、56玉、58飛、57歩合で逃れ。

13手目58飛は、57銀合、55金、67玉で逃れ。

15手目66銀は、同玉で逃れ。
☆46銀、同香を先に入れないと、44香と55金によって二重に角道が止まるため不詰です。手順前後は効きません。

23手目74馬は、57玉、58歩、68玉で逃れ。

以上あぶりだし曲詰「千」の解説でした。
作品で面白かった所や、変化紛れで気になった点があれば、コメントいただけたら幸いです。