見出し画像

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第19話 三年生の先輩が引退

県大会の会場からミーティング会場の中学校までは車で約1時間。車内では演奏内容についてあれこれと回想していた。
帰るまでの記憶があまりない。それくらい頭が真っ白になっていた。

娘が通う中学校に到着。何人かの保護者はすでに先着していたが、楽器搬送のトラックはまだ到着していない。到着次第、いつもの荒業、三階までの楽器運びが始まる。

子供達が乗ったバスが見えてきた。
お疲れ様❗️そう声をかけ続けた。
バスの車内では皆んな爆睡状態だったそう。無理もない、朝4時起きからの早朝練習→極度の緊張と演奏。

長年地区敗退が続いた我が吹奏楽部。県大会出場という夢のような時間はあっという間に過ぎ去り、現実世界へ戻ってきた。

親も見学する中で、部活のミーティングが始まった。
個人個人がそれぞれ感想や反省を話し始める。
子供達は緊張してなかなか思い通りに演奏できなかったようだ。ミスをして動きがおかしくなったり、音が出なくなったり。
木管・金管チームは呼吸が浅くなっていた子が多く、十分に楽器に息を吹き込むことができなかったようだった。
それでも地区大会で失敗し、リベンジに燃える打楽器チームは満足のいく演奏だったようで、自信がついたようだった。

他の部活動をしている子たちが夏休みを満喫している中、吹奏楽部の子供たちは一生懸命練習を重ねてきた。
そして地域でも有数の大ホールで演奏を披露する経験ができた。
親・子供達・先生方が成功体験を積むことができた。
4か月後、冬のアンサンブルコンテスト、そして一年後の吹奏楽コンクールに向けて貴重な経験となった。

今回の県大会の結果は銀賞、夜インターネットにて公表された。
そりゃあ簡単に金賞や県代表にはなれないよな・・・
頭ではわかっていたけど、結果は当然の気持ち半分・悔しさ半分。

娘はとても冷静に受け止めていた。
これで3年生は引退する、いよいよ自分達が部をまとめていかなくてはならない。

12人の3年生が引退し、半分の6人の2年生が部を引っ張っていく。1年生は10人だから総勢16人体制となる。

一つの区切りは新しい船出となった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?