この挨拶をするのも今回が最後かぁ、なんかちょっと寂しいね

 「二階堂優の事件簿~エリーニュエスの断罪~」を見た。個人的なことだが、バルスキッチンが終わったと思ったら二階堂優の事件簿が始まり、次の日から剣劇三國志が始まり、週末には2推しの個イベがあったり、色々密集していた。個イベは告知が遅すぎていけなかったが。

 春夏秋冬ぜんぶ見れてよかった。シリーズ最後を、こうしてちゃんと見届けることができて本当に幸せだった。優、雄吾、有栖の3人が本当に好きなので、3人の成長を見ることができてよかった。

 二階堂優の事件簿シリーズはデスナインシリーズと直接的にはあまり関係がない(いうなれば、デストルドーが存在しない平和な世界)なのだが、二階堂優と森雄吾という本編登場キャラクターがお互いを分かり合っていったのが本当によかった。
 本編ではSクラスやEクラスといったランク分けがあり、二階堂優と森雄吾はEクラスなのだが、このクラス分けはコミュ力みたいなもの、という裏設定がある。最初からコミュ力に難ありの2人なのだ。
 二階堂優は、人の心が分からない。これは今回初めて明かされる情報だと思うが、幼いころの誘拐による外的要因でのものだった。森雄吾は、人間関係をうまく築くことができない。ハイパーサイメシアの力があることでいじめられたり、雄吾自身も忘れてしまう人のことを馬鹿だと思って見下していたりして、対等な友人というものがいなかった。
 このシリーズを通して、二階堂優は人間らしい感情を少しずつ取り戻したし、森雄吾は二階堂優のことを友人として認めて、これからの未来を探偵の助手として一緒に歩んでいく決意をした。

 二階堂有栖は、この2人のように心がないわけでもなければ人付き合いが苦手というわけでもない、普通の女の子だ。でも、この2人と違って自由がなかった。幼いころから従兄の二階堂優のことが好きだが、生まれたときから家の決めた婚約者と政略結婚することが決められていた。けれど、持ち前の天真爛漫さや押しの強さ、実家のお金の力などで優の住む雄吾の家に押しかけて一緒に住んでしまう(そして関西の高校にヘリコプター通学している)という破天荒なキャラクターだ。
 ちなみに、有栖お嬢様のイメージソングが初恋サイダーなのあまりに解釈一致でした本当にありがとうございます。

 思えば、春夏秋冬すごく色々なことがあった。春は、そもそも続くか分からないということを言われていたのだった。そもそも季節ごとにしようとは思っていなかったと思う、あんまり春らしいモチーフを入れていなかった気がした。春に使った萬劇場は私がこの渡辺流久里さんの脚本に初めて出会った劇場なので、すごく感慨深かった。夏は、二階堂優役の浦尾さんがコロナに感染してしまい、1公演しか出演することができなかった。数日の中断の後に代役を立てて公演自体はやりきったのだが、公演中止の払い戻しや振替対応などで、このシリーズが続くのか正直分からず怖かった。そういえば、夏はすぐ横のザ・ポケットで束田唯役の新井さんが同時期に舞台に立っており、どっちも見たので本当に中野に囚われていた。秋は、恵比寿にあるお洒落な劇場だった。久しぶりの浦尾さんの二階堂優に泣いたし、この公演で有栖お嬢様がすごく好きになった。
 そして、シリーズ最後と銘打たれた冬。夏と同じ劇場。出演者の数が夏は7人なのに対して冬は11人だったので、舞台上がかなりギチギチだし、その分すごく気合の入ったものを見られたと思う。とうとう二階堂家について語られたし、元凶・束田唯も出てきた。

 本当に見届けられてよかったし、この時代に生きていてよかったと思う。渡辺流久里さんの紡ぐデスナインシリーズをこれからも楽しみにしています。


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