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代替可能な部品を目指して

就職して間もないころ、社会人として新人だったころ、いろんなスキルを身に着けて替えの効かない存在になりたいと思っていた。
その方が何となくかっこいいし、会社から重宝されて給料も上がりそう。
社会人として10年目くらいになった今、スキルを高めて給料を上げたいという気持ちは今も変わらないけれど、替えの効かない存在になりたいという思いはなくなった。むしろ、代替可能な存在、いついなくなっても誰も困らないぐらいの存在でありたいと思う。

正直なところ、企業の中で「いなくなったら困る」「替えの効かない存在」と言われるくらいの人材になるのはそんなに難しくない。
働いている人の中で、仕事以外の時間で自己研鑽をしている人はたぶん全体の1割もいないので、仕事以外の時間で勉強を習慣化してしまえば、それだけでそれなりに突出した存在になれると思う。
それは自分自身の体験をもって検証済み。
私は基本何をしても才能がないポンコツ人間だけど、プライベートが暇だったのでビジネス書や仕事に関する専門書を読みまくっていたら、それだけで会社の中ではそれなりに優秀な評価を得られるようになって、「いなくなったら困る」と言われるくらいにはなれた。
なので、少しのやる気と行動力さえあれば、一企業の中で「替えの効かない存在」と言われるくらいなら、たぶん誰でもなれる。

ただ、日本の企業で働いている限り、いなくなったら困る、替えの効かない存在の人は、あまり幸せになれないように思う。
仕事内容や企業にもよると思うけど、日本の仕事はやたらと納期に厳しい。
かつ高品質を求めてくる。それは決して悪いことではないと思う。決められた期限を守りながら高品質な仕事ができるなら、それは素晴らしいことで、世界に誇れる日本の良さなのかもしれない。
だけど、実際には現実的に期限を守ることが難しいような仕事もたくさんある。そういう時、ほとんどの場合、スキルの高い人、いわゆるいなくなったら困るような人に、仕事が集中し、一部の人の負荷が極端に増える。
結果として、替えの効かない存在の人というのは、他の人に比べて仕事が集まりやすく、残業が多くなってしまったり休日に仕事をすることになる割合が増えてしまう。

仕事が好きで仕事をしている時間が幸せと感じるのなら、何の問題もないけれど、仕事によっては全部が全部楽しい時間を過ごせるわけではない。
結果として、スキルの高い人ほど、自由に過ごせる時間が減ってしまい、幸福度が下がってしまう可能性が高いように思う。
かといって、スキルがないことで代替可能な人材となるのは、それはそれで悲しい。誰でもできるような仕事しかできない状態だと、給料は上がっていかないし、そのうちAIに仕事を奪われる可能性も高い。それで職を失うのは何よりも不幸です。

結局、企業で働いている中で一番幸せになるには、高いスキルを持ちながらも、代替可能な存在となることが重要なんだと思う。
それが一流のビジネスパーソンって気がする。
誰にでもできることしかできない代替可能な人は三流のビジネスパーソン。
替えの効かない存在と言われる人は、きっとプレイヤーとしては優秀な人。それは若手であれば将来有望だと言われるかもしれないけど、ベテランになっても替えの効かない存在と言われているのであれば、それはきっと二流のビジネスパーソン。
一流は、自分自身が高いスキルを持ちながら、それを周り人に展開したり、自分がいなくなっても困らない仕組みを作り、自分自身を代替可能な存在にもっていくことができる人のことだと思う。

今まで色々と勉強を重ねてきて、三流は脱却できたかなと思うけれど、まだまだ一流にはなれていないなと実感します。
今年からは、スキルをまだまだ磨きながらも、代替可能な部品を目指して頑張りたい。

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