結論から話すのが難しいのはなぜか

仕事の中での会話では、多くの場合結論から話すことが求められます。
報告をするときや質問するとき、確認事項がある場合などは、結論から話せと言われる。プレゼン資料を作るときや、書類を作成する場合でも結論を先に書くことが求められます。
「結論から話す」はいわばビジネスパーソンの基本スキルです。

結論から話すというのは、自分が最も主張したいことを一番最初に言えばいいだけなので、割と簡単で誰でもできそうな印象を受けるけれど、仕事で接している人の中で結論をなかなか言ってくれない人が一定数存在します。
私自身、話すときや資料を作成するとき、一度頭の中で話の構成を考えて、結論を先に持ってくるように意識していないと、結論を先に話すのは意外と難しい。何も考えず無意識で話していると、ついつい結論を最後にもっていきたくなってしまうことがあります。

「最も伝えたいことを一番最初に伝える」というのは一見簡単そうだけど、なぜそんな簡単なことが多くの人はできないのでしょうか。

ある日何気なくテレビを見ていると、もしかすると結論から話せない人が多いのはテレビの影響なんじゃないだろうか?と思うようになりました。
テレビは、多くの場合結論を最後まで見せません。映画やドラマであれば、最後のオチが最も重要なので、最後まで結論を見せない、言わないのは理解できるけど、ドキュメンタリーのような番組においても、結論をなかなか言ってくれないものが結構あります。
民放のテレビ局であれば、広告料をもらうことで成り立っているビジネスなので、CMをたくさん見てもらうために結論を後ろに伸ばしたり、視聴率を稼ぐために結論を最後まで言わないという戦略はなんとなく理解できなくもないですが。
番組の途中でCMを挟まない、かつ視聴率をそこまで気にしていないと思われる、NHKですら、結論をなかなか言わない番組もあります。
テレビを見ながら、早く結論言えよ、と心の中で思ってしまいます。
テレビは結局、人の時間をどれだけ奪うのかが重要な要素なのかもしれません。

話が少しそれてしまいましたが、要は、テレビというそれなりに影響力のあるメディアのほとんどが、結論を最後に持ってくる構成になっているが故に、人と会話をするときにも結論を最後に持ってくることが正しいという思い込みが染み付いているんじゃないかという気がしています。

もちろん、人との会話でも結論が最後の方がいい話もたくさんあります。
仕事と関係ない雑談の場合は結論が最後でもいいし、ストーリー性のある話であればむしろ結論(オチ)は最後の方が面白いです。
話の内容とシチュエーションによって結論を最後にするか、先にするかの最適解を自然に使い分けれる人は意外と少ないのかもしれません。

テレビもきっと制作側に色々と意図はあるのだろうとは思いますが、個人的には、ドキュメンタリー番組や情報番組、バラエティ番組に関しても、結論を最初に持ってきてくれた方がありがたいなーと思ったりします。
そうすることでテレビに奪われる時間を減らすことができるし、テレビを見ている人にも結論から話す構成を意識する人も多少増えるんじゃないんだろうかと思いました。

もう一つ、この記事を書いているときに思ったのは、日本語そのものの影響があるのかな、とも思いました。
例えば日本語と英語の場合は、文の中で動詞をどこに持ってくるかが違います。その国の言語の特性によって、結論から伝えるのが苦手な人が多い国、得意な国というのも調査してみると興味深い結果が出たりするのかもしれないですね。


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