影響力を活かす

最近、経営者同士の会食(あまり大声では言えないけど飲み会)に参加させていただく機会がありました。
全員で5人いたのですが、3人が社長、1人が専務、そして私(中途で入社したてのポンコツ平社員)という少し振る舞いに困る飲み会(会食)でした。
皆さん仕事上で付き合いがある方々なので、気まずさはありませんでしたが、立場も違うし年齢も割と離れているので、この場にいていいのだろうか、とも思いました。

ただ、普段はあまり聞けない経営者同士の悩みや考え方を聞くことができたので、その点はすごく面白かったし勉強になりました。
その中でも特に印象に残っている話があります。

それは、影響力のある人の扱いが難しいという話で、この話にはその場にいた経営者全員が共感していました。
経営者の方々曰く、影響力のある人が会社に対して不満を持っている場合、その影響力で仲間を増やして会社に対して反発をしてくるという。そうなると組織の空気が悪くなるので、たとえ実力がある人だとしても、結果としてチームや会社にとって厄介な存在になってしまうとのこと。

言われてみれば「確かに」と思いました。私のような一会社員の立場では、
「影響力がある人 = 実力がある人」と認識していたので、影響力があると言われるのは良いことだと思っていたのですが、組織をマネジメントする立場からすれば、影響力が高い人は組織にとってプラスにもマイナスにもなり得るので、影響力があるという言葉は必ずしも褒め言葉ではないことに気付かされました。

思い返せば、私も昔勤めていた会社で上司から呼び出されてそのことで注意されたことがあります。そのときの上司からは
「お前はネガティブな発言が多い。周りに悪影響を与えるからネガティブな発言は控えろ」のようなことを言われました。細かなセリフまでは覚えていませんが、ニュアンスとしては、「お前は後輩に対して影響力があるから、お前がネガティブな発言をすると周りの空気が悪くなる」みたいなことを言われた記憶があります。上司から個別で呼び出されて注意されたので、それなりに凹んだし反省もしましたが、仕事での実力があることを認めてくれていたからこその注意でもあったので、その点は少し嬉しくもありました。その一件以来、仕事の状況が悪い時でも、極力ネガティブな発言はしないように意識するようになりました。そのおかげで考え方も多少ポジティブになれたような気がするので、今思うとその上司には感謝です。(根本の性格はネガティブなので、気を抜くとネガティブ発言は結構出てしまうんですが、、)

要するに私も昔、影響力があって厄介な人だと思われていたわけですね。その上司に注意されたのは社会人2年目から3年目の時だったので、割と早い段階で影響力が悪い方向に作用するのを防げたのは幸運でした。そこから数年後、転職して講師の仕事をすることになるのですが、講師の発言は受講生に対してそれなりに大きな影響力を持ちます。講師をしているときは、エンジニアをしていた時以上に意識してネガティブ発言を控えるようにしていましたが、それができたのは昔上司から注意されたことでネガティブな発言をしない思考が身についていたからできたことかもしれません。そして今回の経営者の方々の悩みを聞き、改めて影響力が組織にとって悪い方向に作用しないように注意していく必要があるなと気づくことができました。

現代はSNSによって誰もがインフルエンサーになれる可能性があります。
インフルエンサーのような世間に対して一定の影響力を持っている人は、自分の影響力が世の中に対してどう作用するのかを深く考えて行動していくことが求められるのでしょう。

個人的には、インフルエンサーのような存在を目指すつもりはないし、なりたいおも思っていないけれど、せめて自分が所属する組織の中では、自分の影響力がプラスに働くことを意識しながら働いていきたい。

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