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結論とは、相手が一番求めている情報のこと

ビジネスにおけるコミュニケーションは結論から伝えることが大事。
ビジネス書にもよく書かれていることで、社会人になったばかりの頃は先輩や上司からよく言われることでもあります。
結論から話すことで短時間で伝えるべきことを確実に伝えることができ、仕事が円滑に進みます。

だけど、「結論から話す」ことだけを意識していても伝わりやすい文章になるとは限らないことを最近になって実感した。

後輩と一緒に仕事をしていて、お客さんに対して送るチャットの文章を考える機会があったので、後輩に文章を作ってもらって後から添削することにしました。すると、何が言いたいのかがよくわからず、率直に言えば分かりにくい内容の文章になっていました。
どうしてそのような文章にしたのかを尋ねると、「結論から書くことを意識した」とのこと。

はて?結論から伝えることを意識しているにも関わらず、どうしてこんな文章になるのだろうか。
不思議に思って考えてみたのですが、おそらく、私が認識している結論と後輩が認識している結論に差異があるためだったと思われます。
結論の認識に齟齬があるため、結論から先に伝えることを意識していても何が言いたいのかわからない文章になっている。という状態でした。
つまり、結論から伝えることを意識していても、お互いで結論に対する共通認識ができていなければ意味がないということです。

では、ここでいう結論とは一体何を指しているのか。
簡単に言うと結論とは「自分が最も伝えたいこと」です。結論の認識に齟齬がある状態というのは、お互いに最も伝えたいことがずれているということです。

ではでは、ビジネスにおいて「最も伝えたいこと」は本来何になるべきなのでしょうか。
それは、「相手が最も知りたがっている情報」です。
仕事とは自分以外の誰かの役に立つために行うものです。
であれば、ビジネスにおけるコミュニケーションで大事なことは、相手が求めていることをできるだけ少ない時間で伝えることになります。

つまり「結論から伝える」とは、「相手が最も知りがっている情報を一番先に伝える」ということです。ビジネスにおける「結論から伝える」は、「自分が最も伝えたいこと」と「相手が最も知りたがっていること」が一致している必要があります。
そのためにはまず、相手の立場に立って相手が何を求めているのかを考える想像力があることが前提になります。相手の立場を無視した状態で結論から話すことを意識しても、それは大して意味を持たないスキルになってしまいます。結論から話すスキルは、相手の立場を想像する力が土台にあることで意味を持つのです。

注意しなければいけないのは、「自分が最も伝えたいこと」が自分達にとって有利な情報ばかりになっていないかという点です。
お客さんや相手の立場を考えず、自分達にとって有利となる情報ばかり伝えているとそれはもう「結論」とは何の関係もないただの「言い訳」と捉えられてしまう可能性すらあります。

結論から伝えることを意識するのは大事なことだけど、その前にまず相手の視点で物事を考える想像力が基盤となることを念頭においておきましょう。

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