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ランニング中の生体信号を計測してみた

今回は着るだけで生体信号が測れるシャツ、ASTROSKIN(アストロスキン)を着て、10km走ってみました。
果たしてどんなデータが録れるのでしょうか…!

(文:営業職 社員T)

皆さんは日頃から健康を意識して生活していますか?

40代半ばの私は、ここ5年間の健康診断結果がずっと「F判定」(=医者に行け)。いっこうにドロドロ血が解消されません。いわゆる“高コレステロール血症”。皆さんの中にも同じ悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

そんな私ですが、3年前に一念発起し、1週間に1回のペースで松本空港がある信州スカイパークを1周するランニングコース(10km)を走ることにしています。
そこで、普段はスマートウォッチだとかスマホのアプリでデータを計測することはないのですが、今回は弊社で輸入販売しているウェアラブルセンサーASTROSKIN(アストロスキン)を着て10km走ってみました。

ASTROSKINとは

ASTROSKINは、カナダのメーカーが開発・販売している着るタイプの計測装置です。シャツを素肌に直接着るだけで、心電図や呼吸、SpO2などの生体信号が手軽に長時間計測できます。

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<ASTROSKINで計測・計算・推定できるデータ項目>
・心電図(3誘導)、心拍数、R-R間隔
・呼吸の状態、呼吸率、呼吸量(推定値)
・加速度、活動量、歩数、ケイデンス
・収縮期血圧(推定値)
・酸素飽和度(SpO2)、容積脈波
・体表面温度(おへそ付近)

計測の準備

準備はとても簡単で、素肌に直接ASTROSKINのシャツを着て、シャツとケーブルで繋がった専用のヘッドバンドを巻きます。

図1

各センサーの計測データはシャツの中を通っているケーブルを介して集められ、おなかのポケットに収納するロガーに記録します。ロガーは少し大きいですが、単三電池2本で約48時間の計測が行えます。

10km、実走!

ASTROSKINのデータをBluetoothでスマホに飛ばして、走り出す前の状態を確認します。

図2

心拍数は67拍/分くらい。
今回、社内にあったApple Watchもはめていたのですが、安静時のApple WatchとASTROSKINの心拍数はほぼ一致していました(Apple Watchの方が少し遅れて追従するように感じました。平均する拍数が多いのかな?)。

日曜日の朝8時半、撮影係の開発職 社員Aと一緒に10kmのランニングスタート!
普段運動をあまりしていない社員Aさんもこの日は道連れです。

図3

スタートしてから1kmちょっとの地点で、社員Aさんの顔が引きつり出しました。徐々にペースが落ちる社員Aさん。「実験のため」と心を鬼にして、振り返らずに走り続ける私..。

データは正常に計測できたか!?

次のグラフは、走り終わった後にロガーから抜き出した私の心電図です。
ランニング中でこれだけの波形が計測できれば十分でしょうか?

図4

心電図は、ランニング程度の運動であれば問題なく計測できそうですね(上半身の動き次第ではノイズが入ってしまう可能性はありますが)。

続いては、10kmのコース1周全体のグラフです。一番上から、心電図、心拍数、加速度(鉛直方向)、体表面温度、収縮期血圧(推定値)、SpO2です。

心電図・心拍数・加速度・体表面温度はシャツで、SpO2はヘッドバンドで計測しています。
収縮期血圧はその両方を使って推定しています。

さすがに10㎞すべてを走り続けることはできないため、半分くらい走った地点で1km程ゆっくりと歩いてクールダウンしています。

図6

図7

走っている最中に脈波をスマートフォンでモニタリングしていると、ノイズが乗ってしまってうまくとれていないようでした。そこから推定する収縮期血圧も同様にノイズが乗ってしまっていることがグラフから分かります。SpO2のグラフはそれっぽく見えますが、もしかしたら影響があるのかもしれませんね・・・。

一方で、クールダウンした区間は安定しているので、ゆっくり歩く程度の強度であれば信用できるデータが計れそうでした。
例えば、弓道・アーチェリー・ゴルフ等のショット前の精神統一状態の計測や、激しい運動後のクールダウン時における回復具合を計測するなどの研究には活用できるのではと感じました。

そういえば、社員Aさんはその後…

ちなみに、普段運動をしていない社員Aさん、早々と脱落して途中コースをショートカットしたようで、私とほぼ同じタイミングでゴールしました。
6㎞くらい走ったことになるかな?かなり疲れている様子です。

図8

Aさんには、同じメーカーから発売されている簡易型のウェアラブルセンサーHEXOSKIN(ヘキソスキン)を着てもらっていました。HEXOSKINは、心電図(2誘導)、呼吸、加速度が収録できるASTROSKINの姉妹製品です。心電図から心拍数が、加速度から活動量が同じように計算できます。

そして、次のグラフがAさんの心拍数(上)と活動量(下)。
どうやら、途中で力尽きて後半は何度も歩いているようですね。
データは嘘をつきません!

図9

まとめ

今回は、ウェアラブルセンサーASTROSKINとHEXOSKINを用いて、40代後半のおっさん2人が夏の信州スカイパークをランニングするときの生体信号を計測してみました。

ウェアラブルと言っても、やはり運動中の生体信号をノイズなしに計測することは難しいと感じる結果となりました。逆に言うと、だからこそ世の中に出回っている多くのデバイスは 計算値である心拍数しか出していないのかもな、とも感じました。

ただ、ブラックボックス的に算出される心拍数ではなくノイズ交じりでも生の心電図波形を見られるのは改めて弊社製品の長所ではないかなと感じました。センサーの特性を知った上で、どうすれば本製品を活かせるのかを事前にしっかりと検討すれば、今回ご紹介した製品をより有効に活用してもらえそうです。

今後も別のスポーツでの活用を探っていきたいと思います。また紹介したいと思いますので、お楽しみに。

今回使用した製品

○ウェアラブルマルチ生体センサー ASTROSKIN
https://www.kicnet.co.jp/solutions/biosignal/humans/biosignal-2/astroskin/

○ウェアラブル心電・呼吸・加速度センサー HEXOSKIN
https://www.kicnet.co.jp/solutions/biosignal/humans/biosignal-2/hexoskin/

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