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どうやって小学1年生に離婚を伝えたのか④
父親が一緒に住まなくなる状況を長引く出張からの転勤、転勤からの別の場所で暮らすと説明をした。
嘘はイヤだ。散々嘘をつかれたわたしが我が子に嘘をつきたくなかった。だけどこれは子どもの心を守るため。いつか真実を告げる日が来るかもしれないその時までの嘘だ。
出張中に離婚をつきつけ、家の敷居を跨がせることなくウィークリーマンションで数週間を過ごさせた。そのあと、本命と2人で住むと報告を受けたあたりでわたしは小学1年生に、慎重に言葉を選んで離婚のことを伝えた。
今度は嘘ではなく真実を。オブラートに包まれた真実を。
「お母さんとお父さんは結婚というのやめようと思うんだ」
一瞬、小学1年生は目を見開き固まった。わたしは続けた。
「でも会ったり電話したり、今までどおりだよ。別々に暮らすけど、会いたい時はいつでも会える。週末も遊びたければ遊べるし、旅行も行きたかったらみんなで行けるよ。
お母さんはお父さんと仲良くしたかったんだけど、お父さんがお母さんとあまり仲良くできないみたい。話すとケンカになってしまっていたこともあったじゃない?
お父さんはお母さんにたくさんウソをついたの。お母さんウソをつかれてすごく悲しい気持ちになって、もうウソはつかないでー!ってお願いしたんだけど、それでもお父さんはお母さんに何度も繰り返しウソをついてしまったの。
ウソをつく人とは、お母さんも仲良くなれないなーって思ってるの」
「うん」と小さく返事をしながら神妙な表情だ。
「保育園のお友達もおうちにママだけだったじゃない?担任のせんせいもお母さんだけおうちにいたんだって。Tお兄ちゃんも家にはお父さんはいなかったって」
「え?そうなの!?」知っている人の名前が出て小学1年生は機敏に反応を示した。
「いまは色んな家族の形があって、それでもみんなが幸せに暮らせるから、君と、下の子と、お母さんと、3人で楽しく生活できたらいいなぁって思ってるの」
小学1年生は、今度は目にいっぱい涙を溜めていた。わたしにきづかれないようにパッと涙を拭って「分かった」と言った。
結婚をやめるということが、なんとく輪郭をもって心に届いたのだろう。前と違ってすぐにゲームの話しをしたりはしなかった。
ごめんね、とは言わずに「聞いてくれてありがとう」と抱きしめ、2人で静かに泣いた。
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