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06 気持ちもお金も時間も

入籍前後の不倫・ストーカー騒動に妊娠中の不倫未遂。

それでも長男が産まれ一年ほどは平穏な生活が続いていた。

わたしの年齢もあり、なかなかニ人目に恵まれず、不妊治療の一歩手前まで行きながらも、自然妊娠で次男を授かったのは長男が四歳になったときだった。

ニ人目の妊活あたりからわたしは夫婦関係に悩んでいた。

帰宅しない夫、家族に気持ちが向いていない様子、お金の話をするのを嫌がる雰囲気…それらを相対的に捉えて不倫を疑うと、必ず声を荒げて言うセリフがあった。

「俺は家族のために身を粉にして働いているのに過去のことを持ち出して、俺を信じてくれない。じゃあ俺にどうしろと言うんだよっ!」

信じなければ確かになにも始まらない。

前向きなわたしはその暗示にかかり、常に優しく接するという形で信頼を可視化しようとした。

夫に配慮して言葉を選んで声をかけ、子ども二人のワンオペ育児で疲弊して寝落ちしていても、深夜に帰宅する夫のために起きて、夜食を出したり、晩酌に付き合ったりした。

家族のために身を粉にして働く夫を甲斐甲斐しく支える妻が出来あがっていった。

それでも夫は、働き方について、お金について、育児についての話しは以前同様に避け続けた。そして、わたしがしつこく食い下がると声を荒げた。

その繰り返し。

夫の気持ちも時間もお金もまったく家族に向いていないことに、わたしは長らく苦しんだ。

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