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82 ニ人目の妊活中に不倫する男の心理とあざとさ


離婚届にサインをさせ、わたしは最後の質問に移った。

例のお年玉を盗んだこと。この場では盗んだことをあっさりと認めた。

そしてもうひとつは不妊治療のこと。Zには、そのことに関して一切聞かなかったものの、わたしは夫にカマをかけた。

「Zに会って聞いたけど、下の子は不妊治療でできた子って伝えたんだって?」

「そうです、すみません」

「すみません」と言うより「さーせん」に近い謝罪に、質問したことを一瞬後悔した。

まだ話すこともできない下の子の代わりに、わたしは伝える必要があった。

「不妊治療の必要がないってドクターに言われて、そのあと自然妊娠でできたのがあの子よ。わたしたちのもとに産まれてきてくれたのに、あなたはあの子を利用した」

「それは違う!」

反論する夫をさえぎりわたしは言った。

「『妻から二人目をせがまれて大変だ。不妊治療までして作ろうとは俺は思わない。だけど治療に協力していれば、俺たちの関係は疑われることはない。二人目が産まれたら忙しくて、疑う暇もなくなるからさらに会えるよ』そんなことをZに伝えたんですって?」

これはわたしが「二人目 妊娠 不倫」で調べた結果、二人目を妊活中にも関わらず不倫する男たちの本音を読んで知った内容だ。

今度は夫は反論せずに黙った。図星のようだ。

下の子がこの事実を知ることはないが、わたしはどうしても代わりに伝えたかった。

自分の私利私欲のために我が子の命を利用したということをしっかり理解させたかった。

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