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47 交渉の戦術

多くのドラマやインスタグラムの投稿でも、夫に離婚を詰め寄ったのち、不倫相手に慰謝料の請求へ行くことが多い。

あるいは不倫相手に先に怒鳴り込んでしまうシーンもよく見かける。慰謝料を払え!とつい感情的になったりしている。

これは失敗することが多い。目的は感情の発露ではない。慰謝料の請求だ。

わたしの場合は、探偵の窓口のお兄さんと相談員Kさんと綿密な計画を立てていた。

夫は泳がせたまま、まずはZに会い慰謝料の請求をする。その後に夫に離婚を伝える。離婚に拒否権がないと伝えた後、夫と慰謝料と養育費の話し合いをする。

夫の不倫相手への交渉は通常難航を極める。まず、相手と対峙する時が初対面のパターンが多い。どんな性格かもわからない中で交渉しなくてはならないため、落とし所を交渉の中で探る必要がある。また妻帯者あるいは子持ちであることを知らないまま不倫をしている場合、逆に夫が訴えられることもある。

それに比べて、運良くわたしには交渉しやすい要素がたくさんある。

相手と知り合いでどんな雰囲気か、おおよそ把握している。もちろん妻帯者・子持ちであることをZは知っている。さらに以前にも不倫を疑ったこと、わたしが牽制したことは交渉の武器となる。

話す内容を紙におこして、眠る子どもたちの横で夜な夜なシミュレーションを繰り返した。

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