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50 そして真打ち登場
「いる」声に出してわたしはつぶやいた。
ちょうどそこにA子が到着した。
「ぼんやりだけど灯いてるね」
部屋の中にいるなら、コンビニや夕飯の買い出しに出てくる可能性もある。
このまま出てくるのを待つしかない。
Zの顔を特定できるようにA子には探偵が撮ったツーショット写真やFacebookの写真を見てもらっていた。
「残り物で夕飯とかUberだったらもう今日は出てこないか…」
そんな話をしていたら、突然A子が私の背中をドンと突き飛ばした。
よろけた目の前になんとZがいた。
すっかり中にいると思ったわたしたちは駅の方面に目を向けるのをやめていた。
たまたまA子が駅方向に顔を向けたら「目に焼きつけた証拠写真の女」が来たとのことだ。
「すみません。お久しぶりです。わたしのこと覚えていらっしゃいますか!?」
思ったより落ち着いた声が出た。
「あら!お久しぶり!どうしたの!?こんなところで!!」
Zは妙なテンションで受け応えた。
ずっとこの瞬間をシミュレーションしてきたけど、このテンションは予想外だった。
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