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33 夫婦で互いの秘密を探り合う

「話したいことがあるんだけど」と伝えたわたしにいつもとは少し違う面持ちで「なに?」と返した夫。

わたしは単刀直入に聞いた「正直に話して欲しい、naomiって誰?」。

夫の顔がこわばり、つけていたテレビをゆっくりと消した。

「高校の同級生だよ」
「ただの友達ではないよね?」
「え?なんで?」
「たまたまゲームをするために開いたあなたの携帯でLINEのやりとりをみたの。肉体関係がある仲よね?」
「いや、さすがにそれはない」
「嘘をつかれるとつらいから正直に言って。肉体関係があるよね」
「はい」
「何年前から?」
「何年前からだろう…四〜五年…かな」
「その人は東京に住んでるの?」
「いや地元に住んでる」
「既婚?」
「そう」
「子どもは?」
「いない」

高校の同級生であることも、地元に住んでいることもFacebookから確認済みだったが、わたしはあたかもLINEの情報だけしか握っていないふりをして聞き出した。

すると突如、夫の目つきが変わった。

「お前も秘密があるよね?俺は知ってる」
「何も秘密はないよ、なに?」
「じきに分かるさ」

鬼の首でも取ったかのようなその表情と目つきに気持ち悪さが残った。

何を知っていると言うだろう。わたしはわたしで探偵を雇い、都内の女の調査を進めて離婚を考えている。これは大きな秘密だ。

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