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75 黒い金の流れ、借金の返済のための詐欺行為

あらゆる嘘の輪郭があらわになり、夫にお金を貸し続ける女性に連絡を取った。

顔見知りのその女性には、離婚すること、そのために聞いておきたいことがあると真摯に伝えた。女性は快諾してくれた。

待ち合わせをしたカフェでわたしは話し始めた。

夫が不倫をしているようで、その真相を探ろうとLINEを見たら、あなたとの金銭の貸し借りのLINEを読んでしまった、と。

彼女は静かに話し始めた。

「お金をダラダラと貸してしまい申し訳なかった。前妻と離婚した後に、付き合うまでは行かなかったけど男女の仲になったの。
その辺りからお金の貸し借りが始まった。離婚後、無一文で出されたから生活を立て直すのにお金が足りないって」

その口実では会社の契約銀行から借入をしていたはずだ。足りないことはないはずだが、わたしは口を挟まず話に耳を傾けた。

「結構な額を貸したから、お金は月々少しずつ返済してもらっていた。
ただ、その未払い分はあたたちの結婚式の前に耳を揃えて返済してくれたわ。
だから、あぁこの人もようやく身綺麗にして再婚するんだって思ったのよ」

わたしは「結婚式」のワードに勇んで聞いた。

「その最後の返済額はいくらですか?」
「30万円よ」

あぁ、なんてことだろう。

サプライズビデオを作ると言ってわたしの母から巻き上げたお金はそのまま、目の前の女性の借金返済として横流しになっていたのだ。

身綺麗どころではない。どこまでもどこまでも汚く、泥沼なような金銭の流れ。

脳みそが膨張して気が遠くなるのをわたしは堪えた。これはもはや犯罪であり許される行為ではない。

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