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ICTで介護はもっと良くなる〜ICT推進の想い〜


はじめに

 事務局所属の北川絵里奈です。入職して以来、事務局職員として「ICT」推進業務に携わってきました。喜創会でのICT化にまつわる歴史や想いを発信できればと思います。

喜創会のICT化の歩み

 喜創会では、平成20年の風蝶木開設当初から、パソコンでの記録を導入するなど、手書きの記録が主流だった当時の介護業界の中で、比較的早い段階からICT化を進めてきました。様々なシステム導入に伴い、実際に使う現場職員にとっては、操作方法や手順の変更など戸惑いも多かったと思いますが、皆さんの対応力に助けられ、これまでに「ケアカルテ」、「服やっくん」、「眠りSCAN」などの新しいシステムを導入でき、着実にICT化の道を歩んできたと言えると思います。

ICT化の目的

 介護業界含め、多くの企業で人材不足が叫ばれる中、日頃の業務効率をあげることは必須です。例えば、紙媒体での情報のやり取りを見直し、煩雑だった文書作成等に要する時間を効率化します。業務効率化、生産性向上、サービス品質の向上やミスの削減などが期待できますし、時間と心の余裕が生まれることで、業務負担軽減や働きやすい環境づくりにも繋がっていきます。また、データの電子化により、統計処理や長期間の記録の蓄積が可能になります。

喜創会のICT浸透の現状と課題

 いち早くICT化に取り組んできた喜創会ですが、まだまだ課題も多く残されています。短期間でのシステム導入を進めてきたためか、業務に最低限必要な表面的な機能だけが浸透してしまったように思えます。システム導入において「使える」状態が第1ステップだとすると、次の第2ステップ「使いこなせる」状態へステップアップする必要があると考えています。
  これまでは、とにかくシステムの操作方法を覚え、データ化を図るということに意識が集中していましたが、本来ICT化の目的はシステムの操作を覚えることではありません。導入したシステムの機能やデータを最大限に活かし、ケアや業務の改善に繋げていくこと、つまり「使いこなす」ということが重要です。
 その為には、更なる職員教育に注力していく必要があると考えています。使いこなせるようにするために重要なことは、「意識向上」と「理解」です。喜創会で働く一人一人が、目の前の仕事(ケアや業務など)に対して、もっと改善できるポイントはないかという意識を持ち、一定の水準でシステムや仕組みを理解し、活用できるようにしていくことが課題です。活用について、現場職員を中心に、活発な議論が行われるようになることを期待しています。

現場職員への研修中の様子

介護現場こそICT活用を

 今後のICT活用の目標として、喜創会の皆さんに必ず押さえておいてほしいポイントは、「科学的介護」の実現です。これからの介護は、介護職員の経験や感覚に頼りきっていた従来のケアを見直し、エビデンスに基づいたサービス提供が求められています。それを実現するためには、客観的・具体的なデータの蓄積や分析が可能な、ICTツールが不可欠な存在といえます。
 これまで導入してきたツールにおいても、決められた業務として使うだけでなく、ケアの改善に活かせるのではないかという視点で、介護職員の皆さんに使ってもらえたら嬉しいです。ご利用者へのケアにICTをどんどん活用して、サービスの質向上へつなげていきましょう。

※科学的介護:要介護者の重度化防止や自立支援を目的として、科学的根拠(エビデンス)に基づいて提供されるケアのこと。