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3年『マリーゴールド』【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年「マリーゴールド」【勤労、公共の精神】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

勤労とは、仕事のことです。
ここでは給与が発生する仕事だけでなく、
ボランティアなどの無償奉仕も仕事として定義します。

「なぜ、働かなければならないのでしょうか。」

この疑問に答えられますか?

「生活費を稼いで生きるため」ということが
一番に浮かぶでしょうが、
果たして仕事の意味は、それだけでしょうか?

仕事をする上での喜びは、
対価としてもらうお金という報酬だけで
決まってしまうのでしょうか。

今日は、「勤労、公共の精神」について考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 発問
4 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

3年生「マリーゴールド」(光村図書)

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
3・4年の目標・・・・働くことの大切さを知り、進んでみんなのために働くこと

「マリーゴールド」あらすじ

千里は「花いっぱい運動」で、隣の保育園に花を植えに行きました。
暑くて、作業がイヤになる千里。
すると、園児の「どんな花が咲くのかなあ。」と
楽しそうな声が聞こえます。
友達の真実が笑顔で教えてあげています。
草抜きも前向きに頑張る真実を見て、
千里も頑張ろうと思います。
7月、マリーゴールドの花が咲き、2人は園児が描いた絵を笑顔で見ていました。

2 内容項目と教材

・勤労とは、辞書で調べてみると
賃金をもらって、一定の時間内、ある仕事をすること。もと、勤めに骨を折ること。
とあります。
しかし、賃金の発生しない勤労もありますね。
ボランティアや、子どもの活動です。
この内容項目では、辞書の意味を越えた捉え方が必要になります。

・千里や真実は、労働の対価を求めて働いていたのでしょうか。
賃金は発生していないので、どうやら辞書的な「勤労」とは違うようです。

・すると、ここで1つ発問が浮かびます。
「千里や真実は、何のために働いたのだろう。」
この発問の答えは、『園児のため』や『保育園のため』では不十分です。

・園児の何を見ていたのだろう。保育園にどうなってほしいから、働いたのだろう。
自分の働いた先に、どんな未来が待っていると想像して、
千里と真実は働いたと思いますか?

・きっと、
「花いっぱいの保育園は楽しくて明るい気持ちになるだろう。
明るい気持ちになれば、毎日楽しく保育園に通えるだろう。」
と、ここまでは具体的に思っていなくても、
花が咲いた後のよい未来を想像して、
働いたはずです。

・この「よい未来を想像して働く」ことは、
どの仕事にも言えます。
子どもの給食当番、一人一役、係活動、委員会活動など、
全てに共通して言えるのは、
「やったらおしまい」ではなく、
「自分の活動によって、助かったり楽になったり楽しくなったりする人がいる」
ということです。
この未来を想像する力、すなわち想像力が勤労には大切なのです。

・授業では、未来のことを具体的に考えてみたいですね。
花がいっぱいだったらどんな気持ちになるだろう、と。

・すると、「花が咲けばいいのだから、文句を言いながら働いても同じだから、
文句を言いながら仕事をしてもいいのか?」という疑問が浮かんできます。
間違いなく、これは×ですが、なぜ×なのでしょうか。
それは、「今」という瞬間も、「いい未来」に含まれているからです。
今、明るい気持ちでなければいい未来はない。
だから、いい未来をつくるためにはいい『今』が必要なのです。
これも、子どもと一緒に考えてみたいところですね。

・仕事には社会的意義、文化的意義など多くの意義が含まれていますが、
3年生の段階では詳しくは触れなくてよいでしょう。

・それよりも、自分の仕事はどんな未来につながるのか、
教材という1つの事例を掘り下げていくことで、
自分の係などの仕事に対しての想像力も変わるきっかけになるでしょう。

・中学年は、抽象的なものはできるだけ避けて、
具体例で一点突破する方が有効なことが多いです。

3 発問

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