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6年『自分にできること』【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『6年「自分にできること」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「働き方改革」が教育界でも叫ばれています。
教師の仕事はとても多く、
多忙です。

教師の本来の仕事はなんなのか、
忘れてしまうほどです。

しかし、そもそも「働く」ことは
どんな意味があるのでしょうか。

働く意義について、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
5・6年の目標・・・・
働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともにその意義を理解し、公共のために役に立つことをすること。

6年生「自分にできること」(日本文教出版)

あらすじ
島田さんは小学校の先生だ。
東日本大震災が起きた東北の町に派遣をされた。
被害にあった方のカウンセリングをしに行ったが、ほとんど相談にくる人はいない。
ふと、プレイルームで遊んでいる子どもたちが目に入った。すると、島田さんの荷物から算数のプリント集を見つけた子がいた。
「わあ。プリントだ。これやっていいの?」
その声を聞きつけて、たくさんの子がプリントで勉強を始めました。
島田さんはその姿を見ながら、「子どもたちといっしょに遊びや勉強をしながら、できることを見つけていこう。」と思いました。
最終日、島田さんは空いた時間で救援物資を整理するボランティアに参加した。
そこで出会った高校生が「ふだんはだらだらしているんですよ。でも、今ぼくにできることはこれだと思って、参加しています。」と言った言葉を、帰りの飛行機で島田さんは思い出した。

2 内容項目と教材

勤労とは、辞書で調べてみると
賃金をもらって、一定の時間内、ある仕事をすること。また、勤めに骨を折ること。
とあります。

しかし、賃金の発生しない勤労もありますね。
ボランティアや、子どもの活動などです。
この内容項目では、辞書の意味を越えた捉え方が必要になります。

「島田さん」は東日本大震災に派遣されました。
これは有償の仕事として行っています。
しかし、その中でボランティアに参加しています。

当然ながらボランティアは無償で、対価としてのお金は発生しません。

では、島田さんは「仕事だから」とどこか割り切って東北で支援活動をしていたのでしょうか。

ここには、「勤労、公共の精神」だけでは収まらない、そして一口では語れない多様な価値が含まれています。
☆東北のA市をよりよい町にしたいという『伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度』
☆自分ができることをしようという『希望と勇気、努力と強い意志』


これらの道徳的な価値を、子どもはきっと気付いて発表するでしょう。
教師は、多面的・多角的な見方をした子どもを
受け止めてあげましょう。

多様な価値が出ると、こう思います。
「きちんとまとめられるか不安・・・・。」
でも、大丈夫です。
この教材の柱の内容項目は「勤労」です。

『働くことの意義に気付く』という柱を持っておけば、
子どもの視点が広がっても、ぶれることはありません。
「なるほど。それって働くということとつながるね!」と
さりげなく本筋に話をもどせばいいのです。

島田さんは、何を目的に東北で活動しているのでしょうか。
ほめられたいから?
お金がほしいから?
東北の人たちが元気になってほしいから?
早く復興してほしいから?
子どもたちが好きだから?

様々な目的が考えられるでしょう。
これらは、
①自分のため
②他者のため
の2つに分けられます。

①自分のため、もっというと
自分の利益のために働くのであれば、
ここまで一生懸命にはならないでしょう。
ボランティアですから。

であれば、②他者のために働くことが
「わたし」たちの目的であることになります。

ここで大切になるものが『想像力』です。
よい町
被害にあった人たちの気持ち
今までの生活に戻って笑顔で過ごす人々
それらを想像すると、人のために働くことが実感として出るので、
仕事にも熱が入ることは、当然だと言えます。

この「仕事に大切なことは想像力」ということは、
どの仕事にも言えます。
子どもの給食当番、一人一役、係活動、委員会活動など、
全てに共通して言えるのは、
「やったらおしまい」ではなく、
「自分の活動によって、助かったり楽になったり楽しくなったりする人がいる」
ということです。
この未来を想像する力が勤労には大切なのです。

授業では、未来のことを具体的に考えてみたいですね。
東北が復興したら、島田さんはどんな気持ちになるだろう、と。

3 導入

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