1年『はしれ、さんりくてつどう』【国や郷土を愛する態度】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『1年「はしれ、さんりくてつどう」【国や郷土を愛する態度】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目は、なんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。
こう聞くと簡単なようですが、
実際の授業では
「自分事」としてどのように捉えさせるか
が大きな壁となります。
「遠くの地域の遠くの人は、
そんな思いをしているんだな。」と
浅い学びになってしまいがちなところが、
この内容項目の
大きな注意点です。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
1・2年の目標・・・・我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつこと。
1年生「はしれ、さんりくてつどう」(日本文教出版)
あらすじ
2011年3月11日、東日本に大きな地震が起きました。
地震で起きた津波で、線路なども流されてしまいました。
三陸鉄道のもちづきさんは、「すぐに列車を走らせることはできないだろう。」とがっかりしましたが、線路沿いを歩く多くの人を見て、
「一日でも早く列車を走らせよう」と強く思います。
多くの人が協力して、なんと5日後には一部で列車が走り出したのです。
地域の人が大きく手を振る。目に涙を浮かべている人もいます。
大漁旗を振っている地元の小学生もいました。
2 内容項目と教材
内容項目は「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」ですが、
「感動、畏敬の念」の要素も大きく入っていますね。
心に響く「力のある教材」です。
低学年の段階では、郷土愛や愛国心といった概念は、
発達段階的に難解なものであるため、その概念は扱いません。
低学年の児童にとって郷土の文化や生活に「親しむ」ことは、
それらに「関わっている人の魅力を知る」ということと同じ意味です。
つまり、鉄道なら鉄道に関わる人を、
子どもの身近なところから気付かせていくことが、
「親しむ」ことにつながっていくのです。
この場合、必ずしも教科書に出ている人ばかりではなくても構いません。
子どもが気付いた「関わっている人」は、拾っていきましょう。
そして、「関わっている人」が出たら、それらの人の思いを考えます。
鉄道に関わる人は、みんな地域のことをよりよくしたいと思っている、
もしくは鉄道が走ってほしいと思っていることに気付きます。
全員が同じ方向を向いているのです。
地域の魅力はそこにあります。
みんなが「鉄道の再開」という同じ方向を向くことで、
地域への思いを共有でき、再確認できる。
だから、人とのつながりが密接になり、
その地域の人や鉄道に関わる人への親しみが増すのです。
これは、国に対しても同じです。
わかりやすい例で言うとオリンピック。
例えばオリンピック陸上競技で日本チームがリレーでメダルをとったら、
自分のことのように嬉しいですよね。
これは、日本という国に所属しているから湧き上がる「嬉しい」という感情もありますが、
同じように喜んでいる日本人を見て、
同じ方向を見ていることを確認でき、
つながりを実感できて「嬉しい」という思いもあるのです。
一人でテレビ中継を見て、メダル獲得の感動の瞬間を見たら、
「嬉しい」思いは出てきますが、共有する仲間がいないと、
その思いは半減してしまいます。
同じ方向を向いていることを多くの人と確認することで、
人のつながりは深くなっていくのです。
これは、同じくCの視点の内容項目である
「よりよい学校生活、集団生活の充実」とも似ています。
行事や困難を乗り越えて、集団が成熟していく過程と、
同じ要素があることを感じられるでしょう!
また、大切な視点がもう1つあります。
鉄道の再開は、震災で深く深く傷ついた人たちの希望の象徴でもあるのです。
鉄道が走ることは、震災前と変わらない景色が一部でも戻ってくる。
変わり果ててしまった町並みの中を、震災前と同じ鉄道が走ることは、
復興が進んでいることを実感できる大きな出来事なのです。
ここまで深く扱う必要はありませんが、授業者は理解しておく必要があります。
話を戻します。
鉄道に関わっている人、鉄道の再開を願っている人は、だれでしょうか?
・もちづきさん
・線路の作業をした人
・地元の小学生
・地元の大人
これらは教材から読み取れますが、他に関わっている人はだれでしょうか?
ここを考えられると、「その人の思い」を考える幅が広がります。
○岩手県が地元の人
○三陸鉄道を昔利用していた人
○鉄道が好きな人
○同じように被害を受けた地域の人
○震災で亡くなってしまった人
どうでしょう。
これらの人々の思いを考える活動は、
さらに幅が広がると思いませんか?
この視点は、子どもから出ない場合は教師から提示しましょう。
3 導入
T:教師 C:子ども
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