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4年「心と心のあくしゅ」【親切、思いやり】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「心と心のあくしゅ」【親切、思いやり】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。


今日のテーマは親切です。
親切って何のためにするのでしょうか。

「助け合い」とよく言われますが、なぜそれが必要なのでしょうか?
親切はなぜ必要なのか、その本質的な心について、今日は考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「親切、思いやり」
3・4年の目標・・・・相手のことを思いやり、進んで親切にすること。

4年生「心と心のあくしゅ」(日本文教出版)

あらすじ
「ぼく」は、家に帰るとちゅう、大きな荷物をもってよいしょよいしょと歩いているおばあさんに出会った。
すると、おばあさんが石につまずいて転びそうになった。
ぼくは思わず、「荷物、持ちます。」と声をかけた。
しかし、「ありがとうね。でも、家まですぐだからいいですよ。」と言われた。
おばあさんは、かたほうの足が少し不自由で、歩くのが大変そうだった。

お母さんにそのことを話すと、「いいことしたわね。少しもまちがっていないわよ。あのおばあさん、最近引っ越してきてね。病気で体が不自由だったのを、歩く練習をしてあそこまで歩いてきたそうよ。」と言われた。

数日後、再びおばあさんを見た。
おばあさんはまた一生懸命歩いている。
(ぼくには、おばあさんに何ができるだろう。)
考えながらおばあさんについて歩いた。

おばあさんは家の前で待っているむすめさんに、「だいぶ歩けるようになったねえ。」と声をかけられていた。おばあさんはにっこりして、うれしそうな顔をした。
ぼくは、おばあさんと「心と心のあくしゅ」をした気がした。

2 内容項目と教材

①親切の形はさまざま

もう一度、目標を確認してみましょう。
「相手のことを思いやり、進んで親切にすること」とあります。
『進んで』とありますね。
この部分がポイントになります。

人は相手の気持ちを考えることができます。
相手の気持ちを考えて、自分の感情と共通する部分が見つかったり、悲しみの気持ちや同情の気持ちが芽生えたとき、何かをしてあげたくなります。

それが、「進んで」の部分なのです。
相手が求めていないのに、進んでやることは親切ではありません。
相手の気持ちを考えずに行う親切は、もはや「大きなお世話」です。

親切にもいろいろな形がある、という多角的な見方をここでは大切にしましょう。
そして、本当の親切とは何か、まとめの段階で再定義をできると、授業が締まります。

②重点項目は積み上げる

日本文教出版で『親切、思いやり』は重点項目です。
前回の「ええことするのは、ええもんや!」
今回の「心と心のあくしゅ」
次回の「三つのつつみ」

3時間かけて、『親切、思いやり』について考えていくことになります。
せっかく3時間もあるので、同じことを考えるよりは毎時間積み上がることを意識していきましょう。

とはいっても、難しいことをする必要はありません。
前回のまとめを、今回の導入にすればよいのです。

具体的には次のとおりです。

「ええことするのは、ええもんや!」では、次のようなまとめをしました。


「本当の親切」とは、
①誰に見られていなくてもできる
②自分ではなく相手のことを考えてする親切のこと
この2点を、「心と心のあくしゅ」の導入にしましょう。
そして、足りない部分を考えて補う視点で、授業を展開します。


今回の授業の核は、「親切な行動をしなくても、親切と呼べるのか。」ということです。

「ぼく」は、おばあさんに初めて会ったとき、荷物をもとうとしましたが断られました。
2回目に会ったときは、声をかけずに後ろをついていくだけでした。
つまり、2回とも「何もしていない」のです。


・果たしてこれは、親切だと言えるでしょうか?
・「ぼく」は親切な人だと言えるでしょうか?
・「ぼく」は、断られたなら、気づかずとおりすぎた人と同じ親切レベルなのではないでしょうか。


結論を言うと、「何もしない親切」もこの世にはあります。
親切とは、何かをするだけなく、何もしない親切もあるのです。


親切とは、行動をする・しないではなく、「相手のことを思う」ことがすでに親切なのです。
「ぼく」は親切であり、思いやりをもっている、とも言えます。
この『何もしない親切もある』ということにたどりつければ、今回の授業は成功です!

3 導入

T:教師 C:子ども

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