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6年『ぼくたちの学校』【よりよい学校生活】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『6年「ぼくたちの学校」【よりよい学校生活】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今回の内容項目のキーワードは
ズバリ「当事者意識」です。

これだけを押えれば、
この内容項目は恐くありません。

難しいことほど、シンプルに考えられる人は、
思考がスッキリしている証拠です。

この記事を読んだら、
きっと頭がスッキリすることでしょう!

では、解説です!


1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「よりよい学校生活、集団生活の充実」
5・6年の目標・・・・
先生や学校の人々を敬愛し、みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに、
様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること


6年生「ぼくたちの学校」(日本文教出版)

「ぼくたちの学校」あらすじ

東日本大震災が起こった4週間後、学校が再開。
史哉たちの通う学校は津波の被害にあったため、
市の文化センターで始業式を行うことになった。

校長先生は始業式で次のことを話してくれた。
「隣の小学校の教室を借りてバスで登校します。
みなさんが集まるところが永崎小学校です。」
ということだった。

バスの中では史哉は6年生の自覚を感じて
緊張をしている。
すると、1年生の子が急に泣き出した。
泣くばかりで何も言わない。

すると、佑大が急に大声で校歌を歌い始めた。
「ぼくたちがいるところが学校だから、
このバスの中も学校だね。」

いつのまにかみんな、歌っていた。

2 内容項目と教材

・東日本大震災を背景にした教材です。
津波や地震など直接的な表現は出てきませんが、
クラスに配慮が必要な子がいたら、
事前に内容を伝えておく等の準備が必要です。

・震災から10年近く経ったとは言え、
当事者の子どもや敏感な子は
いつまでも覚えていることです。

・慎重になりすぎるくらいがちょうどいいでしょう。


・本題です。
「よりよい学校生活」という内容項目ですが、
史哉たちの学校は校舎がありません。

・目標には「よりよい学校をつくる」とありますが、
校舎がないのですから、よいもなにもありません。

・校長先生が「みなさんがいるところが学校です。」
と言っているので、
校舎というハードではなく
子ども・先生といったソフト面が大切であることがわかります。

・では、このまま隣の学校を借りたまま、
本当の自分達の校舎がない状態でも、
「よりよい学校」をつくることはできるのでしょうか。

・当然ですが、「学校をつくる」とは
建設するという意味ではなく、
「創造する」という意味です。

・しかし、史哉たちの学校は、
校舎がありません。
「永崎小学校らしさ」とは、
どこにあるのでしょうか?

・心が温まるお話ですよね。
どこで心温まるのかと言うと、
史哉たちがバスで校歌を歌った場面です。

・校歌は学校を象徴するもの。
その校歌をバスの中で
永崎小学校の子どもが
自主的に歌うことで、
学校に対する愛情がうかがいしれます。

・また、それだけでなく、
歌を歌ったきっかけが
校長先生の「みなさんがいるところが永崎小学校です。」
という言葉からです。

・史哉たちは校長先生の言葉をよく聞いていて、
さらに信じています。

・素直に先生の話を受け止め、
自分なりに「校歌を歌う」という
行動に昇華したその心が、
温かい印象を受ける話になっているのです。

・この教材はうまく活用したいものですね。

・学校は、校舎だけあればいいのか?
先生と子どもがいれば、校舎はいらないのか?
なぜ、両方必要なのか?
という究極の発問をすることで、
改めて「学校のよさ」について考えるきっかけになりそうです。

・震災が背景になる教材ですが、
あまり震災については深入りする必要はありません。

・それよりも被災地の子どもから学ぶ
「よりよい学校をつくろうとする心」
について考える方が、
自分ごととして捉えやすいです。


3 導入

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