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中学1年「裏庭での出来事」【自主、自立、自由と責任】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学1年「裏庭での出来事」【自主、自立、自由と責任】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

小学校ではこの内容項目は
「正直、誠実」と表されています。

正直と誠実、よく似た言葉ですね。
この2つは、どうちがうのでしょうか?

2つの言葉の違いを説明できる人は、
道徳マスターと言っていいでしょう!
この2つの言葉の違いを押えると、
「正直、誠実」の内容項目の
授業づくりが一気に楽しくなります。

正直と誠実の違い、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「自主、自立、自由と責任」
目標・・・・・自律の精神を重んじ、自主的に考え、判断し、誠実に実行してその結果に責任をもつこと。

「裏庭での出来事」(光村図書)
昼休みに狭い裏庭でサッカーをしようとした大輔と雄一と健。

裏庭には、一匹の猫が鳥の巣(生まれて間もないヒナがいた)を狙っていたように見えた。
裏庭で雄一が投げたボールが、物置の窓に当たり、ガラスが割れてしまった。
猫はそれに驚いて逃げた。

雄一:
先生にボールを投げて窓ガラスにあたってしまったことを報告しにいった。

大輔:
雄一が先生に報告しにいっている間に、サッカーをしようと健を誘った。
先生が来た時には、「雄一がひなを助けようとしてやった。おかげでひなが助かった」といった。

健:
雄一が報告しにいっている間にボールを蹴って窓ガラスをもう一枚割ってしまう。
先生が来た時には、なにも言わなかった。

次の日。
健は一人で職員室へ向かい、先生のところに向かった。

大輔は健の後ろ姿を見つめていたが、やがて健の後を追いかけていった。

2 内容項目と教材

・正直、誠実それぞれどのような意味でしょうか。
それぞれ広辞苑では次のような意味です。

正直・・・心が正しく素直なこと
誠実・・・真面目で真心がこもっていること

・うーん、言葉の意味はこのようになっていますが、
この言葉をどのように授業で使えばいいのでしょうか。

・結論を言います。順番が大切なのです。
正直は、行動→言葉。
誠実は、言葉→行動なのです。

・正直とは何でしょうか。
「正直に言いましょう。」等と使いますね。
これは、自分の行った行動を、
ウソいつわりなく言葉で表現しましょう、という意味です。

・これは、行動が先にあって、そのあとに言葉がある。
行動→言葉ですね。

・もっと具体的に考えてみます。
ある日、教室でAくんが花瓶を割ってしまい、
先生に見つかりました。

・先生は「何があったか正直に言ってごらん。」と言います。
するとAくんは
「遊んでいて、手が当たって花瓶を割ってしまいました。ごめんなさい。」
と言いました。
Aくんは正直でしょうか?

・これは、「花瓶を割ってしまった」(行動)Aくんは、
自分の行いを謝る(言葉)という流れです。
行動→言葉の流れのことを「正直」と呼ぶのです。


・対して「誠実」はどうでしょうか。
正直と似ていますが、「正直に言いましょう。」のように
「誠実に言いましょう。」とは言いませんよね。

・これは、先に言葉があるからなのです。
例えば約束を守る人。
この人は誠実と呼べるでしょう。

・「約束をする」(言葉)行為の後に、「守る」(行動)があるという流れです。
言葉→行動、ですね。

・発した言葉やルールに基づいて行動をすることを、
誠実と呼ぶのです。


・話を戻します。指導要領には「正直、誠実」と
書いてあります。

・これは、順番が大切です。「誠実、正直」とは
なっていないことがポイントです。

・正直は、行動が先でした。
「正直」が先にくるということは、
指導要領では、「まず行動することが大切。」と言っているのです。

・まずは行動をして、言葉で後から補足する。
言葉を先に言って行動するよりも、
まずは先にいいと思うことをやってみましょう。

・動いてみて、初めて分かることがあるんです。
ここまでは拡大解釈かもしれませんが、
実際に教材研究をする際には、

「この教材は、正直に重きを置いているのか、
背実に重きを置いているのか。」を軸として考えましょう。

・1つの教材で両方を大切に扱っているものはほとんどありません。
たいていは正直か誠実、どちらかの色が濃くなっています。

・そして、正直なら正直、誠実なら誠実、重点がどちらか分かったら
その行動をしている人物に焦点を当てて、発問を作ります。


・教材を見てみましょう。
「裏庭での出来事」は、
正直でしょうか、誠実でしょうか。

・様々な出来事が起こっているので
なかなか見えにくいですが、
雄一、健、大輔のそれぞれで
「正直」なのか「誠実」なのかを考えましょう。

・登場人物は先生を含めて4人しかいませんが
状況を整理するために、
関係整理図を書きましょう。

・見えないものが見えてきます。

・とこで、雄一は正直に打ち明けるべきだったのでしょうか。
裏庭は誰も来ないので、黙っていれば
ばれなかったのではないでしょうか。

・それとも、ばれる、ばれないとは関係ないところで
雄一の気持ちが揺れ動いていたのでしょうか。

・健はなぜ、先生に言うことを決意したのでしょうか。
モヤモヤするぐらいなら、初めからしなければよかったのに、
と思う子もいるでしょう。

・健は、たくさんの思いを抱えています。
☆雄一の行動に感化された。
☆黙っていることにもやもやする。
☆大輔に流されたままでは嫌だ。

・これらを全て授業で表現することはむずかしいでしょうが、
健の葛藤の要素を、授業者は押えておく必要があります。


・健が先生に打ち明けたのは、
ばれるのが恐いからでしょうか?
それとも心のモヤモヤからでしょうか。
良心の呵責(りょうしんのかしゃく)とも言えますね。

・本当のところはわかりませんが、
健の気持ちになると、
両方の立場から意見が出てくるでしょう。

・どちらが正解、と結論づけることが目的ではなく、
双方の立場からの意見を聞いて、
考えの幅を広げることが目的です。

・登場人物の関係を整理しながら、
本当の正直な心について、
考えを深めていきたいですね。

3 導入

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