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5年『森の絵』【よりよい学校生活】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「森の絵」【よりよい学校生活】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今回の内容項目のキーワードは
ズバリ「当事者意識」です。

これだけを押えれば、
この内容項目は恐くありません。

難しいことほど、シンプルに考えられる人は、
思考がスッキリしている証拠です。

この記事を読んだら、
きっと頭がスッキリすることでしょう!

では、解説です!

 

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「よりよい学校生活、集団生活の充実」
5・6年の目標・・・・先生や学校の人々を敬愛し、みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに、様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。

5年生「森の絵」(日本文教出版)

 

あらすじ

えり子は、学習発表会でやる劇で、女王の役をやりたかった。
しかし、めぐみも希望した。
めぐみはセリフを読むのが上手だったし、拍手も多かった。

えり子はめぐみに役を譲って別の役をやった。

また、道具係も担当したえり子は、絵は得意なのになぜか筆を持つ手に力が入らない。

そこでふと目に入ったのは、文男だった。
ししゅうが得意ではないが、「だれかがやらないと劇にならないじゃないか。」と言う。

めぐみも、修とBGMの準備を一生懸命している。

えり子は、図工室に戻って「森の絵」の作業を再開した。

「劇を成功させなくっちゃ。みんなで成功させるのよ!」

2 内容項目と教材

主要な登場人物が4人いて、パッと読むと関係がわかりにくいので、関係を整理した板書がいいでしょう。

その上で、えり子はそれぞれの人物から何に気づいて、どう変わったのかがわかるように、えり子を板書の中心におきましょう。

 

えり子は、なりたかった女王の役になれず、道具係にも本気で取り組めませんでした。
この時のえり子は、自分が目立って、他の人は支えるということしか考えていませんでした。

他の人の苦労は当たり前で、自分が目立てればいい、極端に言うとそう思っていたのです。

しかし、めぐみが上手だったので、めぐみに役を奪われた。

やりたかった役がもうないので、思いどおりにいくことがなくなったえり子は、やる気が出なくなった。

でも、衣装係の仕事に一生懸命取り組む文男の話を聞く。
文男は、えり子と対照的で、「やりたい役ではなかったけど、だれかがやらないと劇にならない」と言う。

えり子は、自分のやりたい役ではなかったら、やる気が出なかったが、文男はそうではなかった。

きっと文男はやりたい役があったのでしょう。
えり子のように人に譲ったのかもしれません。

でも、そこから気持ちを切り替えて、「自分がやれることを一生懸命やる」というマインドで仕事に取り組みます。

そんな文男を見て、えり子は気付きます。

文男みたいに、やりたい役になれなかった人はもっといるだろう。
でも、みんな「だれかがやらないと劇にならない」と考えて

『すばらしい劇の完成』という目標に向かってがんばっているんだ。
そして、その中の1人に、私もならなくてはならない。

 

文男、めぐみ、修の姿を見て、えり子はこのことに気付きます。

これは、どの集団でも言えることです。

やりたくないこと、希望どおりにならないことは子どもにとって山ほどあります。

それを、折り合いをつけて、時には譲ったり、譲られたりしながら、進めていくのです。

それは集団の秩序を保つために大切なことです。
また、そんな譲って譲られる、折り合いをつけられる人が多い集団は、統制が取れているので『よい集団』と言えます。

そんな集団は社会の縮図です。

集団の中で自分を確立させていくことは、社会の中で生きる自分を形成することと同じなのです。

 

ここに、学校の意義があるのです。

同じ地域で同じ歳の子を30名前後ずつに区切って、毎日生活をする。

社会の縮図を意図的につくることで、集団の中で生きる力を、子どもは身に付けていくのです。

3 導入

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