4年『浮世絵ー海を渡ったジャパン・ブルーー』の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は
『4年「浮世絵ー海を渡ったジャパン・ブルーー」の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目はなんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。
こう聞くと簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが 大きな壁となります。
「すごいな。自分とは関係ないけど。」
と浅い学びになってしまいがちなところが
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点なのです。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
3・4年の目標・・・・
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、国や郷土を愛する心をもつこと。
4年生「浮世絵ー海を渡ったジャパン・ブルーー」(日本文教出版)
2 内容項目と教材
(1)重点を決める
内容項目の「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」は、
①伝統と文化の尊重 ②国や郷土を愛する態度
の2つに分けて考えましょう。
そして、教材がどちらにじゅうてんが
置かれているかを考えましょう。
今回の「浮世絵ー海を渡ったジャパン・ブルーー」は、
②国や郷土を愛する態度です。
23番目の教材に「お父さんのじまん」がありますが、
これは、地域に古くから伝わる伝統なので、
①伝統と文化の尊重です。
1つの教科書で重点がずれているので、
内容項目の全てを網羅しているということですね。
(2)先人の思いを想像する
②国や郷土を愛する態度に重きを置くことがわかりました。
では、どのように授業を展開していけばいいのでしょうか。
それはズバリ、
先人の思いを想像することです。
浮世絵をつくることは、並大抵の苦労ではありません。
「木版画には『絵師』『彫師』『摺師』の3人の職人が必要」
とさらっと書かれていますが、
この3人のそれぞれの技術や、
連携は並大抵の努力ではないでしょう。
3人の職人がどんな様子で仕事をしていたのかの知識を、
予備知識として子どもたちに伝えてもよいでしょう。
絵師は、実際の風景を緻密に表現する。
彫師は、絵師の絵をミスなく彫って表現する。
擦師は、1ミリのずれもなく擦る。
今のように技術が発達している時代でも、
浮世絵を作ることは簡単ではないです。
充分な道具が発達していない時代に、
現代でも人の心を打つ浮世絵を作った。
この努力と知恵、
そして完成させるという強い思いは、
並大抵のことではないでしょう。
では、歌川広重を含めた浮世絵づくりに
関わった3人の職人たちは、
どんな思いをもっていたのでしょうか。
・仕事だから、イヤイヤ橋の作業をしていたのでしょうか。
・ただ言われたから、彫ったり擦ったりしていたのでしょうか。
・浮世絵が完成することを目標にしていたのでしょうか。
・浮世絵が、町民の心に届くことを願っていたのでしょうか。
きっと、浮世絵が町民の心に届くことを
願って作業していたのでしょう。
その「町民」の中には、未来の町民も混ざっています。
みんなが、浮世絵で楽しんでほしい。
手ごろな値段で、いいものを手に入れてほしい。
そんな願いが、浮世絵には込められているのです。
(3)イソップ童話
イソップ童話の中に
『3人のレンガ職人』という話があります。
今回の「浮世絵ー海を渡ったジャパン・ブルーー」の
授業づくりにつながるものがあったので、ご紹介します。
「何をしているのか」という問いの答えを整理します。
1人目の職人・・・特に目的はなし
2人目の職人・・・生活費のため
3人目の職人・・・未来への貢献のため
だれが一番、モチベーションを高くして仕事をしているか、一目瞭然でしょう。
浮世絵を作った3人の職人も同じ視点で考えてみましょう。
職人の目的はなんだったのでしょうか。
浮世絵を作っている途中に「なにをしているの?」と聞かれたら、なんと答えるでしょうか。
浮世絵をつくる「目的」を考えることで、
先人たちの思いがより詳しく見えてきそうですね。
3 導入
T:教師 C:子ども
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