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2年生『ぎおんまつり』【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『2年生「ぎおんまつり」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目は、なんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。

こう聞くと、簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。
「遠くの地域の遠くの人は、
そんな思いをしているんだな。」と
浅い学びになってしまいがちなところが、
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点です。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 発問
4 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

2年生「ぎおんまつり」(日本文教出版)

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
1・2年の目標・・・・我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつこと。

「ぎおんまつり」あらすじ

ぼくは、京都の祇園祭で、ほこの上に乗って太鼓を叩いている。
曲がり角で大勢の人が協力してほこを操作する姿、
それを見た観客の声を聞いて、ぼくはほこらしく思う。
太鼓の練習がいやで、やめたくなったこともあるが、
「みんな頑張って練習して、先年も続く祭りを守っているんだよ。」
と言われ、練習をしていてよかったと、
ほこの上で思った。

2 内容項目と教材

・低学年の段階では、郷土愛や愛国心といった概念は、
発達段階的に難解なものであるため、その概念は扱いません。

・低学年の児童にとって、郷土の文化や生活に「親しむ」ことは、
それらに「関わっている人の魅力を知る」ということと同義です。

・つまり、祭りなら祭りに関わる人を、子どもの身近なところから気付かせていくことが、
「親しむ」ことにつながっていくのです。
この場合、必ずしも教科書に出ている人ばかりではなくても構いません。
子どもが気付いた「関わっている人」は、拾っていきましょう。

・そして、「関わっている人」が出たら、それらの人の思いを考えます。
祭りに関わる人は、みんな地域のことをよりよくしたいと思っている、
もしくは祭りを成功させたいと思っていることに気付きます。
全員が同じ方向を向いているのです。

・祭りの魅力はそこにあります。
みんなが祭りという同じ土俵に乗ることで、
地域や祭りへの思いを共有でき、再確認できる。
だから、人とのつながりが密接になり、
その地域の人や祭りに関わる人への親しみが増すのです。

・これは、国に対しても同じです。
わかりやすい例で言うと、オリンピック。
例えばオリンピック陸上競技で日本チームがリレーでメダルをとったら、
自分のことのように嬉しいですよね。
これは、日本という国に所属しているから湧き上がる「嬉しい」という感情もありますが、
同じように喜んでいる日本人を見て、同じ方向を見ていることを確認でき、
つながりを実感できて「嬉しい」という思いもあるのです。

・一人でテレビ中継を見て、メダル獲得の感動の瞬間を見たら、
「嬉しい」思いは出てきますが、共有する仲間がいないと、
その思いは半減するはずです。
同じ方向を向いていることを、行事やイベントで確認することで、
人のつながりは深くなっていくのです。

・これは、同じくCの視点の内容項目である
「よりよい学校生活、集団生活の充実」とも似ています。
行事や困難を乗り越えて、集団が成熟していく過程と、
同じ要素があることを感じられるでしょう!

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